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Vongole Company
133恐怖のエレベーター
「あともうちょっとで私は癒しと安息パラダイスのベッドなんですよ、どうか見逃していただきたい」

「人の顔見るなり何言ってんの、オマエ」

「え、ストレートに言っていいんですか?なんで寝る前にあんたらの顔を拝まねばならんのだ」

「それはこっちの台詞だ、カス」

「………」



勝 て な い 。

この漠然とした敗北感、分かっていただけるだろうか。

そうだ、エレベーターを一人ぽつんと待っていた私の後ろから『恐ろしい組み合わせ』がやってきたのだ。

なんだよ、なんでこんな時に会っちゃうんだよ。

その後ろの二人になんとか挑んでみたものの、見事に言いくるめられてしまった。

当たり前だ、私にこの二人に勝てる口があるわけがない。



チーン



その二人の方を振り返っていた私は、私が待っていたエレベーターが到着したことを知らせる音に心から喜んだ。

エレベーターが来たことでこんなに喜ぶのは私以外に世界にいないだろう、少なくとも今は。



「それじゃあ申し訳ないですけど、私の待ち合わせ相手が着ましたので…おやすみなさい」



何食わぬ顔でエレベーターに入り込み、ゆったりとした動作で閉めるボタンを押した。

そうだ、逃げようとするから相手は追ってくる。

となれば私は、落ち着いてその場から退散するまでだ。

閉めるボタンを出来る限りの指圧で押しながら、閉まっていくドアの隙間から二人の顔を見た。

よし、これでふかふかベッドへ一直せ…



ガンッ



「やだなぁ、悠南ったら。俺たちを乗せるの忘れてるよ?」

「ドカス頭か、てめえ」

「アハハごめんなさい、私としたことが綱吉さんとXANXUSさんを置いてエレベーターに乗るわけ………ってなんで乗るんじゃい!!!」



私の掴みかけていたふかふかベッドはあっという間に遠退いた。

私が絶対の信頼を置いていたエレベーターのドアは、綱吉さんが高級な革靴を間に挟んだことで再び開いてしまった。

そしてそのまま綱吉さん、そしてXANXUSさんは私への暴言を携えてエレベーターに乗り込んでくる。

絶望を感じながら、ドアが閉まっていくのを見つめる。

待ってくれドア、この空間に私がいたら生命維持が…!

手を伸ばして外に出ようとするも、ドアは無情にも『ぱふっ』と閉じてしまった。

そのすぐ後には下から独特の浮遊感、そして後ろからは…



「一日の最後に悠南に会うなんてね」

「………フン」



強烈な圧迫感。

もうやだ、本当にだれか助けてくれ。

山本さんや京子さんなら最高、

獄寺さんや了平さんなら良、

変態ナッポーやベルさんなら許可、

リボーンさんや雲雀さんは………






ダメだ。

とりあえず誰でも(特例二人は除く)いいから乗ってこないだろうか、わずか数十秒、されど数十秒…!

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あきゅろす。
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