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Vongole Company
132真相発覚
目の前で黙々と料理を平らげる雲雀さんを見ながら、私はほっと息を吐いた。


「なんだ、そういうことだったんですか」
「お前マジで知らなかったのかよ」
「知らないですよ、誰も教えてくれませんでしたし」
「僕も誰にも教えてもらってませんよ!」
「…え、変態ナッポーと同じ扱いとかちょっと…」
「悠南っ!?」


隣でニヤニヤと笑うベルさんを少し睨めば、おとなしくしていたはずの変態ナッポーも主張を始める。

変態ナッポーも知られてなかったのか、それはなにか納得かもしれない。

…自分も知らされてないのはちょっとショックだけど。

少しへこんだ私に雲雀さんがちらりと顔を上げ、目を閉じながら言い放った。


「…まあ悠南に言ったらうっかりバラしそうだからね」
「そ、そんなヘマは…!」
「いや絶対ヘマするだろ、黒川にうっかり言っちまいそうだぜ」
「………」


獄寺さんの言葉に言い返せない自分が悔しい、本当に悔しい。

でも否定はできないのが悲しいところだ、さっきの私のテンパリ具合からして口を滑らせてもおかしくない。





雲雀さんから何か受け取った了平さんは、そのまま花さんに直球プロポーズをしたのだった。

私は唖然、花さんも唖然、他のみんなは微笑んでたり、見守ってたり、無関心だったり。

そして雲雀さんの部屋にあったあの例の指輪、あれは了平さんが雲雀さんへと預けたものだったらしい。


「雲雀さんが預かりものしたんですか?」


その事実を知った後、すました顔をしている雲雀さんに向かって問いかければサラリと雲雀さんは答えた。


「毎日毎日飽きもせずに付きまとって懇願してくるから仕方なく預かったまでだよ」
「…へぇ」


結局は折れて預かったってことなんだ、でも預かってくれるって雲雀さん意外と優しかったりするかもしれない。

てっきり「咬み殺す」とか言ってそういうお願い引き受けない人だと思ってた。


「…まあ預かったものを見る度に何度破壊しようと思ったかわからないけどね」
「…え」
「あれ以上手元にあったら咬み殺してたかもしれない、指輪も笹川了平も」


素晴らしき無表情で淡々と述べる雲雀さんに背筋が凍る思いがした、気分で壊すかどうか決めちゃうのかよ…!





「あー、本当にビックリした」


突然のプロポーズを含めた夕飯も終わり、お風呂を終えた私はとぼとぼと自室へ戻っている途中である。

紙は半乾き状態で、タオルを肩にかけてエレベーターを待つ。

さっきの夕飯の花さん達の幸せそうな顔ときたらもう…こちらまで微笑ましかったよ、うん。

花さんはプロポーズを承諾して、了平さんと花さんは近々籍を入れるそうだ。


「了平さん達結婚かぁ…羨ましいねぇ」
「そんなに羨ましがることか?」
「そりゃもう永遠の女性の夢…」
「ハッ、くだらん」


…ってあれ?

私誰と会話してんの?

ギギギ、と首を回転させた私が見たものは―…。

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