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Vongole Company
127チキンハート
XANXUSさんによって喫茶店から救出された私は、喫茶店から出て少し歩いたスーパーの前にいる集団を見て唖然とする。

嗚呼、懐かしき…


「ヴァリアーの方々!」


そう、その集団とは私が少し前に大変お世話になったヴァリアーの皆さん。

そういえばヴァリアーから帰ってくるときは綱吉さんに強制連行されたから、まともに挨拶せずに別れてしまった。

何やら不気味なまでに全員が笑顔を顔に貼り付けていて怖いんだけれども!

いや、スクアーロさんだけは明らかに顔が引き攣ってるけどさ!

とりあえず感動の再会、ということで1番お世話になった、そして1番まともなマーモンのもとへ駆け寄る。


「マーモ…ヒィイイイ!!!!」


嗚呼、感動の再会にしようと思ったのに途中から思わず悲鳴が…!

第一、こんなものマフィアでもない私に向けちゃいかんだろうよ…!

マーモンに抱き着こうとタッタカ寄っていった矢先、ヒュンという音と共に私の目の前には鋭利な、とても綺麗に磨かれたナイフが登場。

マーモンの右斜め後ろあたりでベルさんが「シシッ」と笑っているのが見えた。

悲鳴を上げながら後ずさると、トンと背中に何かがぶつかった。

慌てて後ろを振り返り、謝罪を試みる…も。


「あ、すみませ…ってこっちもかぁああ!!」



いつの間にやら移動したのか、今度は背後にスクアーロさんが。

そしてまたしても物騒な剣を片手に、青筋を浮かべながら私の肩に腕を回した。

あらいけない、逃げられなくなってしまった…!


「ひ、久しぶりですね、スクアーロさん」
「そうだなあ」
「お元気でしたか?」
「まあなぁ!!」


会話してる間にどんどん冷や汗出てくるんですけどォオ!!

スクアーロさんとどう見ても『神経を擦り減らしながらの会話』をしていると、耳元からフッと声が聞こえた。

「挨拶もなしにボンゴレに帰るとか何様のつもりですかー?」
「ふごおっ?!」

全身という全身に鳥肌が一瞬にして立ち、謎の叫び声を上げる。

私の奇声に肩に腕を回していたスクアーロさんは顔をしかめながら私からすぐさま離れる。

「う゛ぉおい、うっせぇぞぉお!!」
「シシッ、どっちもうっせーよ」
「なんだとぉ?!」

相変わらずベルさんはいちいち突っ込み、それに反応するスクアーロさんも相変わらず。

「変わらないなぁ、この人たち…」

なんとなく独り言として呟くと、また背後から声がした。

背中をちょんちょんと突く感覚と共に。

「あれ、シカトとかホント何様ですかー?
…ぶっ殺すぞ」
「ひぃ?!」

丁寧な敬語からいきなり物騒な言葉が出てきたために瞬時に振り返る。

こんな言動する人は一人しか心当たりないけどさ…!

「やっと振り向きましたねーバカ悠南先輩」
「は?!」

人のことバカって言った、この子…!

フランくんは人を馬鹿呼ばわりしたにも関わらず、まったく表情を変えずに私を見据える。

そして口元は声にこそ出していないものの、いまだに「バカ先輩」と動いている。

あまりにもバカバカ言っているため、私も反論しようと口を開く。

人に馬鹿なんて言っちゃいけないのさ…!

「馬鹿?!誰が馬鹿だって?!
人にそういうこと言っちゃいけないと思…」
「とりあえず落ち着けよバカ悠南先輩」
「ゴメンナサイ」

拳を回しながらの反論もフランくんの冷たい目、そして毒たっぷりの言葉に途中で止められる。

普段敬語の人が物騒な言葉言うと怖いね、いや本当に。

やっとおとなしくなった悠南を見て、フランは相変わらずの無表情を保ったまま口を開いた。

「先輩、なんでこんなところにいたんですかー?」
「…へ?」

フランくんのいきなりの質問に目を丸くして動きを止める。

気が付けば周りにヴァリアーメンバーがずらりと並び、私は集団リンチ状態。

ほら、普通にスーパーに買い物しにきた人にあからさまに避けられてるって。

手荒すぎる再会をされたことで、私の中にはちょっとした悪戯心が生まれた。

「さて、なんででしょうか?」

あえてフランくんの質問をはぐらかしてみたり。

ヴァリアーの皆のちょっと困った姿が見れればいいなぁ、と思ったくらいなのに。

あれ、体感温度が下がって…?!

「…さっさと言え、ドカスが」
「すみません、本当にすみません、決してXANXUSの血管をぶち切りたいとか思ってませんから!
言います、言いますよ!」

XANXUSさんの圧迫により、チキンハートな私の儚き『悪戯心』は消えてなくなった。

「理由は話しますけど…その前に、その怪しい人は誰ですか?」
「…レヴィだ、よろし」
「よろしくしなくていいぜ、単なる変態だし、シシッ」
「貴様ァアア!!」

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あきゅろす。
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