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Vongole Company
117法律違反
私が家出をやめ、ボンゴレ寮に戻ってきて数日経ったある日。

一緒に家出をしてくれていた京子さんたちも不機嫌そうなスクアーロさんに連れられ帰ってきて。

前のような生活が戻りつつあったときだった。

今日は年末の大掃除、と称して手が空いているものは片っ端から掃除に繰り出していた。

平日の昼間…

いや、私しか暇な人がいないんじゃないの、え?

という時間帯であり。

現に私とクロームさんと変態ナッポーしか寮にはいない。

いつもは居る京子さんやハルさんは友達が遊びにくる、と空港に行ってしまった。

取り残された私とクロームさんと変態ナッポー。

広間で三人集まり、私は口を開いた。



「さ、クロームさん、一緒に掃除しましょう」

「…うん」



私はクロームさんだけを見て話し掛ける。

クロームさんは小さくコクリと頷いた。

本当に仕草が可愛らしい…!

女の子なクロームさんに私はくぎ付けだった。

いや、変態じゃないからね、はい

よし行こう行こう、とクロームさんと共に広間を出ようとすると。



「僕も一緒に掃除します!」



本物の変態がバッと私に駆け寄り叫んだ。



「…は?」



怪訝そうに私が見上げる。

せっかく存在消してたのになぜ話し掛けるよ、あなた…!

明らかに好意的とは程遠い私の視線を受けても、一向に気づかない変態ナッポー。



「そんなに僕のこと見つめて…

やめてください、ここにはクロームもいるんですから」



むしろかなりのポジティブシンキングをしていると思われ。

仕事ではこのような姿を見せないのだろうか、クロームさんはあからさまに変態ナッポーを見て怯えている。

ほら、私の腕を掴んでいるし。



…ただ。

ただですね。

変態ナッポーとこれ以上一緒にいるのは御免だ…!!



ということで、私は変態ナッポーをなんなく追い払う。



「はい、骸様、お願いですから違うとこ掃除してください。

私とクロームさんは幹部さんたちの部屋やりますから。

骸様は広間とかやってくださいな」

「…悠南…」



「骸様」というワードに少しぐらついたらしい。

明らかに変態ナッポーは上機嫌になり、クフフ、と鼻歌を歌いはじめる。


「分かりました、僕が広間を掃除しましょう」

「ありがとうございます」



私はペコッと頭を下げる。

いつの間にか私は「あしらう」というスキルをゲットした模様です…!!

「ただし」という頭が頭上から降り注ぐ。

「ん?」と変態ナッポーを見上げると変態ナッポーは長い右手の人差し指を私の鼻先に突き付けていた。



「な、何か?!」



思わずテンパる私に変態ナッポーはさらにクフフと笑う。

人差し指はいまや完璧に私の鼻に触れていた。



「悠南の部屋は僕に掃除させてください」

「…は?!」



いきなり何を言い出すかと思えば。

考えればいろいろと法律に引っ掛かりそうな発言を。



「…訴えますよ?」

「ボンゴレは裁判の判決など及ばないです。

第一イタリアですから日本ほど厳しくありません」

「ハハハ、ソウデスネー」



平然と「裁判の判決なんて俺たちには無縁だぜ、HAHAHA」という発言。

イタリアとか関係あるんだろうか、いや、イタリアがオープンな男性が多いのは認めるけれども…!!

私は渋々ながらも許可をおろす。

やましいものは何もない、うん、大丈夫…!



「…勝手にしてください」

「えぇ」



私は重い足取りでクロームさんと共に部屋を出た。

そしてエレベーターのボタンを押し、ため息をつく。



「クロームさん」

「…え?」

「ここってよく考えればとんでもないとこですよね」



裁判の判決なんて関係ない発言するもんね、うん…!!

困ったように少し笑ったクロームさんと共にエレベーターに乗り込んだ。

目指すは最上階。

幹部さんたちの部屋です…!!

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