[携帯モード] [URL送信]

Vongole Company
108幻術勝負
「マーモン、フランくん、クロームさん…

何やってるんですか」

「誰の幻術が優れてるか勝負してるところ。

悠南、審判してよ」

「悠南センパイ、このチビガエルどうにかしてくださいよー

勝負勝負ってうるさ…ゲロッ」

「…私、勝負に興味ないの」



こんにちは、皆さん。

ボンゴレの女性陣がきた翌日。

何事もなかったかのように、今日も始まろうとしています。

ちなみに今はヴァリアーの庭で幻術勝負が始まるところです。

いや庭っていうかね、グラウンドに近いです、うん



朝からマーモンにたたき起こされ連れられてきています。

私と同様、寒そうにマフラーや手袋を着けているフランくんにクロームさん。

しかしなぜかマーモンだけは張り切っていて。

私はホイッスルを持たされた。



「…は?」

「それの音で勝負始めるからね」



いや、あのね、いきなりどうしたの、マーモン…!!



私が口を開こうとすればグズッと誰かが鼻を啜る音と重なり。

私が音の方を向けば鼻の先を真っ赤にしたフランくんがマーモンを少し睨んでいた。



「あのー…」



あ、やばい、フランくんのこの言い草は絶対マーモン怒らせるよ、うん、絶対だ…!!



「ミー暇じゃないんでー…

幻術で遊ぶなら一人でやってくれませんー?」



フランくんの言葉にマーモンが青筋を浮かべる。

途端にグラリと視界が揺れた私。



何、貧血…?!



と思うもそれは違うと目の前の景色が物語っていた。



「…なんだ、こりゃ」



なぜか私の目の前には小さな氷山。

柔らかい日光に当たりキラキラと綺麗に光っていて。

冷たい冷気が私の身体にヒシヒシと伝わってきた。

今は季節的に冬。

け れ ど も !

いきなり氷山は出来ないよね、うん…!!



私があまりの寒さにしゃがみ込むとクロームさんも隣でガタガタと震えていた。

思わずクロームさんに身体を寄せる。

しかし、マーモンはなぜか氷山の上、そしてフランくんはこんな冷気にも関わらず直立したまま。

フランくんはハーッとため息をついた。

白い気体がフランくんの前に広がる。



「一回だけ勝負してあげますねー」



ミーは忙しいですからー、とフランくんは付け足す。

マーモンはフランくんの言葉にピクリと眉を動かし「望むところだよ」と言う。



そして私たちの視界は、また大きく揺れた。

グワン、グワンと。

地面が曲がっているんじゃないか、と感じてしまう。

これは何かの夢でしょうか、神様…!!

氷山がいきなり出てきて私の心臓は止まりかけです…!!

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!