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Vongole Company
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「おいスクアーロ、それ以上嘘言ったら果たすぞ!!」

「何が嘘だぁ!!

俺は事実しか言ってねぇぞぉ!!」



隼人の怒声に対抗するスクアーロ。

するとスクアーロの怒声がだんだん遠退き、別の若い女性の声に代わる。



「あら、隼人?」

「あ、姉貴…?!」



若い女性の声は隼人にとって聞き覚えのありすぎる声だった。

焦る隼人に対して向こうの女性は冷静そのもの。

余裕さえも感じられた。

すでに頭の中がクラッシュ状態に陥っている隼人の手からスッと受話器が無くなる。

受話器を掴んだのは山本だった。



「ビアンキ…悠南を迎えに行くって言ったよな?

今から戻ってくるのな?」

「山本武…」



山本の声に小さく呟くビアンキ。

しかし次の瞬間にすぐさま凛とした声で言葉を続けた。



「悪いわね、私たちは悠南の気が済むまで帰らないわ」

「気が済むって…」

「ツナよ」



山本がため息をつきながら言えばビアンキはすかさずキーパーソンの名を口にした。



「…ツナ?」

「そう、ツナ。

ツナが行動しなくちゃ私たちは何も変わらないわ」



じゃあね、と一方的に会話がビアンキから終了する。

山本は数秒、間を置いてからカチャリと受話器を戻す。

そして室内には大きな舌打ちが響いた。



「女全員いなくなるとはな…」



リボーンが脚を組み、帽子に手を乗せる。

コツ、と床に音が響く。

広間に続く小さな部屋の開け放たれたドアに寄り掛かっていた骸が脚を組みかえる音だった。



「どうやら綱吉に話を聞かなければ何も行動できないようですね」



いつもの変態ぶりとはかけはなれたシリアスな表情。

骸の言葉にリボーンは静かに立ち上がった。



「俺がダメツナを連れて来る」



その言葉にはさすがの隼人も対抗することは出来なかった。

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あきゅろす。
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