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Vongole Company
100
「誰が行くか?」



ボンゴレ寮の朝。

綱吉以外の幹部全員が食堂に集まり、山本を中心に話は進められていた。



ヴァリアーまで誰が悠南を迎えに行くか。



これが議題だったのだが、それぞれが自分以外の者を睨み硬直している状況。

山本が中心で苦笑している。

迎えに行きたい人がいない、というわけではない。

その逆なわけで。

迎えに行きたいという幹部が多すぎて…

否、全員行きたいと言って話し合いはストップしたまま。

ピリピリとした雰囲気が張り詰め、ついにリボーンが口を開いた。



「俺が1番最後に電話で話したんだぞ」



リボーンの言葉に「正当な理由なら自分も負けていない」と言わんばかりに一斉に話し出す。



「僕は悠南をお仕置きのために咬み殺さなくちゃいけないんだよ、邪魔しないでくれる?」



「僕は悠南のダーリンですから迎えに行くのは当然です!」



「じゅっ、十代目が落ち込んでいらっしゃるから…

右腕の俺が十代目の悩みの原因を連れて帰る、それだけだ!」



「妹みたいなものだからな、極限救出に行かねば!!」



幹部で唯一理由を述べなかった山本。

いや、述べられなかったのかもしれない。

あまりのヒートアップぶりに山本は何回目だろうかという苦笑いをこぼす。



今、俺が一人で連れて帰ってくるほうが早いのなー…



山本は車の鍵を上着のポケットから出した。

そして言い合いを続ける幹部たちを残し、食堂を去る。



「悠南、元気だといいのな」



玄関を出て車庫へ向かうところだった。



「…ちょっと」



山本の後ろから声がかかり、山本は振り返った。
























ヴァリアー本部を目指し。

一台の高級車がヴァリアーへの道を激走している。

ヴァリアーまであと…30分。

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あきゅろす。
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