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Vongole Company
099ホームシック
「フランさんって呼べばいいですか?」

「できれば敬語はやめてくださいー

なんかうやうやしくしてやってんだから私のことうざがるなよ、って感じでミーは嫌いですー」

「分かった、敬語はやめるし、くん付けにする。

でもごめん、理由の意味が分からない」



朝食後。

フランくんの発言にカチーンときたものの、緩いテンションで意外にも私とフランくんは意気投合して。

食事が終わった後ものんびりとソファーと暖炉がある場所に移動し、話し込んでいた。

マーモンはつまらないからと言って部屋に戻ってしまったけれど。

どうやら本当にフランくんが大嫌いな模様です…!!



フランくん。

すごく性格にも特徴があるけれども。

やっぱり1番の特徴は…

頭に被っている黒いカエル。

どうしても話しているときにカエルに目が行ってしまう。

フランくんも私の視線に気付いたのか

「あ、これですかー?」

と嫌そうに被り物を指差す。



「この被り物はですねー

ある堕王子に強制的にやられててー「誰が堕王子なんだよ?」」



シシッという笑いが近づく。

嗚呼、この笑いは…



「おはよ、悠南」

「おはようございます、ベルさん」



や っ ぱ り !

ちっ

とフランくんが分かりやすく舌打ちをする。

ベルさんは私たちの方に近づくなりフランくんにナイフを華麗に投げた。

ナイフは見事に被り物に当たる。



「ゲロッ」

「マーモンと同じ幻術士なんだからいいじゃんかよ、マーモンみたいにフード被っとけって」

「この悪趣味なカエルがフードの代わりですかー?

ミーには信じられないセンスですー」



ぬぼーっとしながらフランくんは鋭いことを言う。

ベルさんは「後でコロス」とフランくんに呟き、続いて私の方を見た。



「なぁ、悠南」

「はい?」



私は目をパチクリさせる。

シシッと笑うベルさん。

次の瞬間、私がすっかり忘れていた話題を持ち出してきた。



「沢田綱吉んとこに帰ろうとか、思ってたりする?」



…すっかり忘れていた。

昨晩、ベッドの中でもんもんと悩んだ覚えはある、たしかに。

けれども!

朝になってすっかり忘れていたよ…!!










ボンゴレ寮にはやっぱり戻りたい。

だけど。

何回考えても綱吉さんと気まずいままで暮らすのは…



無理…だよね



帰りたいのに帰れない、悲しいホームシック状態になっている私。

綱吉さんとの隔てが解消できたら戻れるのに…

その一歩が踏み出せない。



私は百面相のように散々表情を変えたあと、ぽつりと答えた。



「帰りたい…けど、帰れません」

「りょーかい♪」



ベルさんは私の答えを聞くなり、さっさと広間を出ていってしまった。



―カランカラン…



フランくんが投げつけられたナイフを被り物から抜き、床へ落とす音。

さきほどよりも弾まない会話。

私の口数が減ったのが原因。

フランくんは私をボーッと覗き込み言った。



「家出中なんですか、悠南センパイってー

素直に謝ったほうが楽ですよー」



分かってるよ、そんなこと。

ただ行動に移せない捻くれた私を許してください、神様…!!

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あきゅろす。
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