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Vongole Company
097スパルタマーモン
朝日が昇る。

日光が明るく部屋を照らすも、ベッドの中の人影はモゾモゾと微妙に動くだけ。

冬の寒い朝。



うぅ…

寒っ、布団から出るなんて無理だよ、死んでしまうよ!!



とベッドの中の人物はますます深く布団を被った。

カチャリ、と部屋のドアが静かに開く。

その人影はスーッとベッドに近付いた。



「悠南、おはよう」

「マーモン…おはよう…」



静かな声は部屋によく響く。

私は半分寝ぼけながら返事をした。

くぐもった声。



「もう朝だよ」

「うん、分かってる」



そう、分かってはいる。

けれども!!



冬の朝って寒いよね



布団から出たらその冷気がまっすぐ身体に突き刺さるよね



なら布団の中で静かにしてようじゃないか



という美学が私の中には出来ているわけで。

私は冬の朝は起きるのに一時間は必要だ。

まあ強制的に起こす人もいないからいいんだけれども。

ボンゴレは寝坊したら殺されかねないから頑張って起きていた。

けれど。



「あと10分だけ、10分だけお願い、マーモン…」



私は自分の体温で適度に温まった布団の中から言う。

マーモンならきっと許してくれるよね…!!

と半ば期待しながら。



「へぇ、そうなの」



マーモンの声が聞こえる。

マーモンのことだから強引に布団を剥ぎ取ったりしないよね、うん

私はマーモンの返事を聞き、また安心して目をつむった。

「…けどね」

私が夢世界へ再び旅立とうとしていた時だった。



「ちゃんと起きてもらわなきゃ困るよ」



バッと剥ぎ取られる私の布団。

マーモンはその小柄な体のどこにそんな力あるんだ、というくらい勢いよく布団を取った。

私は思わずペタンと布団の上に座り込み、腕を抱える。



冬の冷気がマイボディにガンガン染み込んでくるんですが…!!



「さっ、寒いです、マーモン様…!!」

「悠南が早く起きなかったのが悪いんじゃない」



私の悲鳴のような訴えも見事に軽く流され。

マーモンはまるでお母さんのように綺麗に掛け布団を畳み、私の腕を掴む。



「朝食の時間に食べなきゃご飯食べれないよ」



マーモンは寒がる私をいっこうに気にせず、ずんずんと部屋を出る。



マーモンって意外とスパルタです…!!

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あきゅろす。
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