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Vongole Company
096
「ザンザスさんって…

ツンデレですよね」

「ゔぉおい?!」



悠南のやつ…

何言ってやがんだぁ?



走り去る悠南を呆然と見送るスクアーロ。

悠南がパタパタと走り去る音が聞こえなくなった頃、

スクアーロはハッと我に返り、目の前にある扉を開けた。



「ゔぉおい、ずいぶん話し込んでたなぁ?」

「…カス鮫か」



ザンザスは扉に目を向けるとまた興味がなさそうに目を閉じた。

さきほどより幾分、ザンザスは機嫌が良くなったらしい。

物を投げつけてこなくなった。

長い脚をフルに使いスクアーロはずんずんと机に近づく。



「悠南のことは許可したのかぁ?」

「あぁ」



即答するザンザスに目を見開くスクアーロ。

そして「そうかぁ」と呟き、訪れる沈黙。

沈黙を破ったのは意外なことにXANXUSだった。



「…不法侵入のネズミ、だな」

「…なんだぁ?」



ザンザスの言葉にスクアーロは怪訝そうに返事をする。

しかし綺麗に無視。

ザンザスは脚を組み直してスクアーロに話しかける。



「カス鮫!」

「ゔぉおい…」



スクアーロが若干驚きながら返すと、ザンザスはカッと目を見開く。

そして静かな声で話しはじめた。



「たぶん明日あたりに沢田綱吉たちが悠南の奪還にくるだろう。

悠南が帰るって言ったんならそれでいい、帰しとけ」



何も言わないスクアーロ。

ザンザスは構わず語気を強める。

「だがな」

脚をダンッと床へ下ろし、スッと立ち上がる。



「帰りたくねぇって言ったら…

全力で守れ」

「ゔぉおい…」



なんだぁ、このクソボスが他人の心配だとぉ?!

スクアーロが驚愕の目でザンザスを見る。

しかしザンザスはすでにコツコツと靴を鳴らしながら部屋を出ていくところだった。



「ゔぉおい、クソボス…」

「っせぇ、カス鮫」



呼び止めればザンザスは不愉快そうに振り返る。

スクアーロは意を決して心に引っ掛かっていたことを切り出した。



「お前もしかして悠南のこと「かっ消す」」



途中で強制的に言葉を終了させジロリとスクアーロを睨む。



「俺は女に興味はねぇ」



そう言い残し、ザンザスは部屋を去っていった。

ゔぉおい、どうも怪しいぞぉ…

スクアーロは主のいない部屋に一人残され、柄にもなく少しの間悩んでいた。



「悠南は人を引き付ける能力でもあんのかぁ?」



深夜2時。

明るい月明かりが銀髪を綺麗に照らしていた。

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あきゅろす。
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