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Vongole Company
093クソボス
「いいかぁ、よく聞け、あのクソボスは短気だからなぁ…」

「はい」



私はマーモンの部屋を泣く泣く離れ、スクアーロさんと共に廊下を歩いている。

なぜかスクアーロさんは無駄に声を潜めていて。

私もつられて声を潜めてしまう。



短気なクソボスって…

相当なおじさん?



私が勝手な予想を立てていれば、前を歩いていたスクアーロさんが立ち止まる。

暗くて前がよく見えていなかった私は思い切りスクアーロさんの背中に突っ込んだ。

私は小さく頭をさする。

うん、たんこぶは出来てない



「イタタ…」

「ここだぞぉ」



スクアーロさんは私を振り返りコソッと呟く。

へ?とスクアーロさんの前方を確認してみれば。

廊下の突き当たりに



「…でかっ」



無駄にデカイ扉。

私を見てコクリと頷くスクアーロさん。

入るぞ、という合図なのかもしれない。

私もコクリと頷くと、スクアーロさんは神妙な面持ちで前を向き



「ゔぉおい、クソボス!!!!」


とドアを蹴破っていく。

「嘘ーん?!」

さっきまでの小声はどうなったよ、神妙な面持ちはどうなったよ…!!

スクアーロさんは元気一杯に部屋へ入っていく。

私も後ろから入っていこうとする

……と。



ガシャーン!



あれ、私の横の壁になにかが当たったよ。

繊細な音をたて床へと落ちていくのはガラスの破片。



「なんだガラスの破片か…って、嘘ーん?!」



私が唖然として前を見れば。

10メートルほど先に月明かりをバックにした男が脚を机に乗せ座っているのが見えた。

逆光で顔は見えない、けれども。



半端ではないオーラ。

そしてせわしなく何かをスクアーロさんに投げつける腕の動作は確認できた。

私の予想は見事に外れ、どうやら若い男性のようだ。



「ゔぉおい、俺は紹介しなきゃなんねぇ奴がいるから来たんだぞぉ!

しかもアンパン●ンにバイキン●ンが勝ったとこまだ見てねぇから、おだぶつは出来ねぇんだぁ!!」



なぜそんなにアンパン●ンにこだわる?!



ボスさんと思われる人も「ドカスが!」と叫びながらさらにヒートアップ。

もう何が飛んできてもおかしくない状況。

しかしスクアーロさんが徐々に私に近付き、



「こいつを紹介しなきゃなんねぇんだぁ!!

沢田綱吉たちの方から来た奴だぁ!!」



スクアーロさんが沢田綱吉、という単語を出した途端、ボスさんの腕の動きは止まって。

スクアーロさんはホッと肩を撫で下ろし、私の背中をぐいぐいと押す。



ちょっと痛いな、スクアーロさん!



近付けば近付くほどボスさんの殺気は手にとるように分かる。

机の前に立てば視線もしっかりと、ヒシヒシと私の顔に突き刺さるわけで。



もう帰りたい…!!

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あきゅろす。
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