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Vongole Company
092マーモンの優しさ
「ねぇねぇ、マーモン」



夕食が終わり私はマーモンの部屋にちゃっかりしっかりお邪魔している。

ボスに挨拶に行くまで自分の部屋で待ってるようにスクアーロさんに言われたんだけれども。

いざ「悠南ちゃんの部屋よ」とルッス姐さんに案内されるも…



暗っ、寒っ!!



この屋敷はなんだかすごく暗くて寒いのです。

夜だから、冬だから、とかそういうのもあるんだけれど。

全体的に黒なイメージが否めない。

そしてホラー無理!お化け無理!な完璧なるオカルト恐怖症の私には暗い部屋で一人でいるなんて出来ないわけで。

泣く泣く2階に上がり、マーモンの部屋を訪れ



「べ、別に暗い部屋で一人でいるのが怖かったわけじゃなくて、ちょっと遊びにきただけ!」



とバレバレな嘘をつきながら部屋に入れてもらった。

マーモンの部屋はなぜか暖かく感じる。



暖炉があるわけでもないのに…なんでだろう。



私は中央にあった紫のソファーに腰かけた。

フッカフカの感触。

これは絶対高い…!!

私がフカフカの感触を楽しんでいると、マーモンは隣で何も言わずに私をじっと見ていた。

子供だね、という視線。

いいもの、子供だもの…!!

フカフカの感触を堪能したあと、私は午前中にスクアーロさんに聞いたことを思い出す。



「ここってヴァリアーって言うんだよね?」

「うん」



そんなことも知らずにきたの、とマーモンに言われるがあえて返さないでおく。



「ヴァリアーってボンゴレとどんな関係?」



私の質問にマーモンは、はーっと軽く息を吐いたあと、丁寧に答えてくれた。












ヴァリアー。

表の顔はVongole Companyで1番規模が大きい支社。

つまり綱吉さん率いる本部の次に権力のあるVongoleCompanyの大事な支社である。

裏の顔は【独立暗殺部隊ヴァリアー】

これもまたボンゴレファミリーの一部の機関であるわけで。

しかしけっこう自由気ままにやってるらしい。

なにしろ名前の最初に【独立】が付いてるもんね、うん

あ、関係ない?

とにかくこの屋敷はその独立暗殺部隊ヴァリアーの幹部さんが住んでいる屋敷らしい。

幹部って、幹部って……!!



「めちゃくちゃ強いってこと?」

「まあね」



沢田綱吉たちみたいな守護者くらい、いやそれ以上かな、とマーモンは付け足す。

へぇ、綱吉さんたちくらい…か。

強さとか分からないけれども。



不覚にも綱吉という単語に胸が軽く痛んだ。

わ、忘れてたのに…!!



まあとにかく。

ヴァリアーはすごいらしい。

何気なく話していたスクアーロさん、もベルさん、ルッス姐さん…そしてマーモンも。



「すごいんだね、みんな」



私はマーモンの話を聞き終え、ホウッと息を漏らす。

マーモンはクスリと笑った。

でも。

ボンゴレ本部とつながりがあるということは。

いずれかは…

あの本部の幹部さんたちがやってくるわけで。



「…マーモン」

「ん?」

「綱吉さんたちには私…会えないよ」



私が呟くと、マーモンは背中をとんとんと叩き



「好きなだけここにいればいいじゃない」



と言ってくれる。

私がマーモンの優しさに感動したときだった。



「ゔぉおい!!!」


スクアーロさんがノックもせずに扉を開ける。

そして私を見つけた途端に



「ここにいたのかぁ、悠南!!

ちゃんと部屋で待ってろぉ!!」



と私を怒鳴り付ける。

静かだった空間に大きすぎる声は見事に合わない。

私の耳はキーンと鳴った。



了平さん並に雰囲気の場を壊す人だ…!!

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あきゅろす。
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