Vongole Company
090ルッスの咆哮
おやつを貰いにマーモンさんと降りて行く。
途中で話をしながら私が
「マーモンさん」
と呼んでいると「堅苦しいから敬語とかさん付けやめて」と言われた。
親しみやすくていい子ですよ、この子…!!
お言葉に甘えて砕けた口調に変える。
するとマーモンはリボーンさんとお友達だということが発覚…!
「へぇ、意外」
「単なる腐れ縁だよ」
私が広間の扉を開ければいきなり風が吹き付ける。
否、なぜか前髪が数ミリ切れ、ハラハラと空中を舞った。
後ろからきたマーモンが
「あ、またベルとスクアーロだね。
危ないよ、近くにいると」
と半身広間に入りかけていた私を廊下へとぐいっと連れ戻した。
そして「こっちからも入れるよ」と私の手を引く。
マーモンの手…
ぷにぷにしてて気持ちいいんですけど…!!
なんて言ったらマーモンに殺されそうなため黙っておく。
マーモンはショッキングピンクでスパンコールのやたらと目立つ扉の前に立ち、躊躇なく開けた。
「やぁ、ルッスーリア。
あの二人、今度は何が喧嘩の元?」
「今日は日本の和食は何が1番か、よ」
マーモンは何も躊躇うことなく部屋に入り、誰かと会話を始める。
ぽつんと一人廊下に残された私も意を決してスパンコール扉の部屋に入った。
ぐるりと内装を眺める。
うん、
予 想 通 り 。
これでもか!というほどピンクピンクピンクづくし。
調理器具をはじめ床や壁や天井まで…!
すべてピンク。
98パーセントをピンクが占め、残りの2パーセントを黒などのどうしても必要になる色が占めている部屋。
この部屋に一日いれば体がピンクになれそう、
と私は冗談ではなく本気で思った。
「あらぁ、悠南ちゃんって言うのね!
私はルッスーリア。
よろしくね♪」
どうやらハチミツパックのオカマさんがこの部屋の主らしい。
マーモンとの話が終わり、私に笑顔で話しかけてくれる。
「はい、よろしくお願いします、オカ…いえ、ルッスーリアさん」
心の中の勝手な名称で思わず「オカマさん」と呼ぶところだった。
危ない、危ない。
マーモンは感づいたようだけど、私の方をちらりと向いただけで何も言わなかった。
肝心のルッスーリアさんはまったく気付かずに話を続ける。
「ルッスーリアさんなんて畏まらなくていいのよー!
ルッス姐さんでいいわよ♪」
「あ、はい、ルッス姐さん」
小指をピンと伸ばしながら言うルッス姐さん。
完璧なるオカマ…
ではあるけれども。
悪い人ではないな、というのが私のルッス姐さんへの感想。
…ただ。
ルッス姐さんとマーモンと私の三人で話していると、ベルさんのナイフがヒュンと飛んできて
グサリ
と花柄ピンクの壁に突き刺さった。
その時のルッス姐さんの叫びは。
私が前にテレビで聞いたライオンの咆哮そっくりだった。
やっぱり体は男…だね!
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!