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アレルヤ(ハレルヤ)で20のお題
02/この秘密を貴方にだけ1/観苑
 
初めて会った時に感じた不思議な感覚

あぁこの人なら僕を寂しくなんてさせ無いんだろうな、て

きっとこの人の隣は温かくて居心地が良いんだろうな、て

そう思ったんだ。


「ロックオン・ストラトスだ。宜しく」
「こちらこそ…アレルヤ・ハプティズムです」

そう言って交した握手。
彼の手はグローブに覆われてたけど、温かかった。
あぁきっとこの手は彼自身なんだろう、と思う。

彼は射撃に関する技術が秀でていると聞く。
僕が思うに、正確に相手を打つ為には相手を捉える眼差しと、迷いの無い心と、何よりも引金を引く手が必要だ。
今握手を交した手は引金を引く為にあるであろう手。
そして相手を捉える為にある筈のアイスブルーの目は冷たい印象では無く、海のように広く優しい印象を受ける。
こんな人がホントに射撃の名手なのだろうか?
口調からしても彼の性格は明るくて優しい人物なんだろう。
そんな彼が引金を引いて相手を打つだなんてまだ想像が出来ない。
そう思う程に彼の手は温かい。
この温かさを感じるのにグローブなんて必要無い。

ゆっくりと握手していた手をほどく。

「……射撃となると手が大事だから少しでも気遣う為にグローブを?」
「ん?あー…まぁ、そう…かな?あ、握手は素手の方が良かったか?悪ィな。いっつもつけてるもんだから自分じゃ気になったりしないだよ」
「あ…いえ。そんな事は無いです…」

あぁ僕は何を言ってるんだろうハレルヤ。
別に人のグローブなんて気にしなくたって良いのに。

「まっ、これからは長い付き合いになりそうだから仲良くやってこうぜ!」
「はい。宜しくお願いします」

ロックオンは僕の肩を軽く何度か叩いて明るい笑みを見せた。
それにつられて自然と僕の顔も綻ぶ。
その瞬間、一瞬だけ彼は動きを止めて、また笑う。

「お前笑えるんじゃねぇか!」
「え?」
「さっきまでの堅苦しい顔よりもその表情の方が良いぞ!な!」
「あぁ…有難うございます…」

きっと僕は初めての場所、初めての人に会う事で少し緊張していたのかもしれない。
それがさっきまで僕の表情を堅くしてしまっていたのだろう。
それを簡単にほどいてしまうこの人は、この人の笑った顔は、なんて凄いんだろう(僕が今まで置かれていた環境の為に笑うという事を忘れていただけかもしれないが)

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