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めいん
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アイリは己の足が赴くがまま、甲板に出た。



先ほど雨が降っていたせいか空気は冷えきっていて。

頬を裂くような寒さに身震いがしたが船内に戻る気はさらさらない。



(わたしが、ローのことを好き?)



ふ と脳裏に蘇るペンギンの意味深な言葉。



確かにローは嫌いではない。
それは確かだが、好きかどうかはまた別の話。




(好き……心がひかれること。気に入ること。また、そのさま。「―な人」「―な道に進む」対義語は、嫌い。
片寄ってそのことを好むさま。物好き。また、特に、好色。色好み。「幹事を買って出るなんて、君も―だねえ」「―者」
自分の思うままに振る舞うこと。また、そのさま。「―なだけ遊ぶ」「どうとも―にしなさい」
すき(数寄)
[下接語]大(だい)好き, 不(ぶ)好き(ずき)遊び好き, 男好き, 女好き, 客好き, 綺麗(きれい)好き, 子供好き, 酒好き, 好き好き, 世話好き, 出好き, 派手好き, 話好き, 人好き, 物好き, 横好き。
…………わけがわからない)



脳内で好きという単語の定義を考えてみてもますますこんがらがるだけ。



好き、きらい?
好ききらい好ききらい好ききらい好ききらい?




ぐるり 頭の中を様々な言葉がめまぐるしく行き交う。



それを1つだけ互撰するのは彼女にとっては至難の業だった。



『あ、』















 

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あきゅろす。
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