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めいん











(頭、いたい)



キャスケットを彼の自室へ帰してから、彼女は力無くベッドの上に大の字に寝そべる。



鼻をかすめたのはローの使用していた香水の匂い。



(そういえば、いきなり香水をかけられた)



――…これでもう、おれの匂いしかしない。…――



この香水は、あなたの所有印としてかけられたものなのでしょう?



そうなら手放さないでよ。



朝方にアイリ自身でつけた傷がズキン、ズキンと疼く。




熱いと、痛いよ苦しいと喚いているようで。




さて、熱いのは傷か心か熱いのは傷か心か苦しいのは傷か心か?



彼女はぼうっとそんなことを考えながら ふ、と自嘲した。



あぁわたしはいつの間にこんなにも弱くなったのだろう?




また苛々してきて、今度は手の甲にギリリと歯を立てた。



プツンという音がして、血が滲み出たのが楽しくて。



もっとやろうかな?と思ったけど。



キャスケットが船医がべポがペンギンが、悲しそうな顔してたから。




(止めておこう)




少女はひとつ、誰かを想うことを覚えた。



それがとても苦く、歯がゆいことも知った。

















 

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あきゅろす。
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