[携帯モード] [URL送信]

めいん









キャスケットも彼女のその対応には頭を悩ませ、どう例えればいいのか考える。



ふ、と何か思いついたのかベッドで跳ねるのを止めてくるりとアイリに向き直った。




「もしおれがさ、アイリを放ったまま他の女のコと遊んでたらどうする?」

『別にどうもしない』

「おいっ!!!!!」




きっぱりと即時に言いきった彼女に落胆の声をあげる。




彼女は、干したてである麻のベッドの感触に夢中になっている様。


両手両足を布団へ投げ出して枕へ顔を埋めるのだった。




そんな彼女に見かねて、キャスケットは大きく息を吐いた。



「ま。いつかわかるさ」

『キャスケットの語彙、貧しい』

「お前より豊かだ!!」




苦虫を噛みつぶした様な顔をしてやればキャスケットは素早くツッコミを入れる。


そんな彼に、思わずアイリは笑みが漏れてしまうのだった。




『キャスケット』

「んあー?」

『この島のログはあといくつくらいで溜まる?』



唐突に彼女が聞けば、彼は部屋の隅にあるデスクを漁りはじめる。


2つあるそれは、きちんと整理されているのがペンギンので、本やペンなどが乱雑しているのがキャスケットのだと推測された。



ばさばさと、彼が手を動かす度に宙を舞う紙たち。




たかがそれだけのこと。



だけどアイリにはとてつもなく生鮮としたものに見えた。




「ここのログが溜まるのは、1週間程度で……たしか3日前に上陸したから」

『今日を含めてあと4日』



首を傾げてそう問えば、彼はニッと笑って正解と答えた。


しかしアイリはどこか悲しそうな顔をしてからため息をつく。




キャスケットは彼女の憂いを帯びたその表情に眉を潜め、それを問うた。



返って来たのは、予想していないものだった。
















 

[*Back][Next#]

5/10ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!