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めいん










「船長」

「どうした、ペンギン?」




少し不機嫌そうな声をだせば、ペンギンはお手上げといった風に肩をすくめる。


それから冗談にも似た口調で「おれもフラれました。今日は寝床無しです」。



そう言ってくすりと笑う。



大方、アイリがキャスケットと寝ると意地を張って合部屋の住人であるペンギンを追い出したのだろう。



ペンギンのため息と2人の楽しそうな談笑をみて複雑な心境にもなる。


しかし、その太陽みたいな笑顔にはローも了承せざるを得なかった。



「じゃあ、今日はお前が不寝番するか?」

「却下です。今日は男2人で夜を明かしましょうよ」

「お前と寝るのかよ」




隠しもせず、露骨に眉を潜めればペンギンも「おれだって船長なんかと嫌です」と言いはなつ。



それから2人で肩を揺らして笑うのだ。



……アイリが戻ってきたら少しくらいお仕置きしてやろう。



ペンギンも、アイリが居なくなった明日にキャスケットをどう虐めるかを考えるのだった。


















「……いーのか?」

『何が』




特にすることもなくなって、2人はキャスケットとペンギンの合部屋でごろごろとしていた。



無邪気にベッドに身を投げ、その反動で揺れるスプリングの感触を楽しむ彼女。


その姿に多少なりとも癒されながらキャスケットも、ベッドの上をぴょんぴょん跳ねるのだった。



「船長だよ。あの人、何時にまして眉間の皺が増えてたぞ」

『なぜ』

「そりゃあ……」



しばらく考えこんでから彼は口を開く。




「嫉妬とか?」

『“シット”?』



始めて聞く単語を復唱すれば、キャスケットはわかりやすいように言語化する。



「やきもちだ、やきもち」

『“焼キモチ”?』




しかしそれも知らないようで、彼女はますます混乱するのだった。













 


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あきゅろす。
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