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めいん









「いいか、一言いっておくぞ。
ふざけんなチビ!!!!!!

あのさぁ、何が『敵味方関係なく殺すから』だコラ。
お前みたいなガキに殺されるほどこっちは弱かねぇんだよ。

それに、もし本当にこの仲間たちを傷つけようってんなら、おれはお前を容赦しない。
おれは、このハートに誓ってんだ……!

たかが数年生きてきただけで殺戮兵器気取ってんじゃねぇよ!

しかも何が、痛いね。だ!?
当たり前だ痛ぇわ!
おれ紙の先っちょで指切るのも嫌なんだぞ!!?
わかってるなら傷つけんなっつーかお前自身は傷ついていいのかよ!??

上等だこのやろう!
お前がさっきの戦闘でかすり傷ひとつでも負ってたらグーで殴ったぞ!!!?」


『き、キャスケット』




あまりのキャスケットの剣幕に思わずアイリは必要以上に小さくなってしまう。



しかし、彼のサングラスの向こうに見えた真珠のような大粒の涙に言葉が出なくなった。



キラキラと光る礫は、彼の頬を伝ってアイリの額に降り注いだ。




「おまえは……!
まだ小せぇんだ、し、っく……ぅ。
っあんま、無茶、す、んじゃねえよ!!!!」




ポタポタポタポタ。

額に温度を持った塩化ナトリウム水溶液がかかって、むず痒かった。




でも心は、痛い。
痛い痛い痛い痛い痛い。



『、ん』

「あ……?」

『めん、ごめんねキャスケット…!
ごめんねぇ!!!!』




2人揃ってボロボロと泣き始めればアイリは屈み込んだキャスケットの首に手を回し、抱き着いていた。



彼も、始めは驚いていたものの黙ってアイリを抱きしめ直して頭を撫でてやるのだった。



『心配かけて……ごめっ…ぅ……心配してくれてありがとう……ぅああああああん!!!!!』




見目のまま、幼女のようにひときしり涙を流したアイリにクルー全員が微笑をもらす。



機械ぶっていても、やはり彼女は幼い子供なのだと悟りきって。















 


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