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めいん
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見ていられなかった。



己のしたことの罪悪感に、今にも潰れそうになっているアイリを。


このまま硝子のように砕け散ってしまいそうなアイリを。



見ているローは、息苦しさにも似た胸の痛みを覚えた。



「アイリ」

『ごめ、な、さ…ぁ』

「アイリ」

『ぁああ、ごめんなさい』

「アイリ…!!!!」

『っぁ、あぅあ、あ』

「アイリ!!!!!!」



ローが怒鳴るように彼女の名を叫べば、ようやく小さな身体がピクリと震え瞳に正気の光が宿る。



八の字に下げられた悲しそうな眉に、涙でぐしゃぐしゃになった顔。



気づけばローは、彼女を強く抱きしめていた。




「お前は見なくていい。この汚い惨状と汚い世界を。

おれが代わりに見てやる」




彼の胸板に抱きしめられ、アイリはしかとその左胸の心臓の音を聞いた。


生命を感じられないこの船のなかで、その音は言い表しようがないくらいに優しかった。




「泣くんじゃねぇよ。
お前のすべてはおれの物だ。許可なく涙を流すな」

『っく、ロー…』

「返事しろ」

『あい………っ!』




でもやはり、アイリは涙を止められなかった。



ごめんなさいの涙と
ローへありがとうの涙を。











 

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