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めいん










抱き着いていた腕が震えた。



そのまま彼女はゆっくりとローから離れる。



その時に見えたアイリの表情は怯え以外の何でもなかった。




『これわたしが?』



つう、甲板を眺める彼女の白く柔らかい頬を伝ったのは涙。



子供のようにはしゃぎまわっていた先ほどとは打って代わって、アイリは泣きはじめたのだ。



アイリは一度、自虐めいた笑顔を浮かべると大きく喉をひきつらせた。



『………………い。
……なさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……………ごめ…な………さ……………ぃ……ぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!』




それはアイリが壊れる音だった。



目の焦点は定まらず、どこか虚ろなままで止めどなく涙を流す。

小さな身体は震えており、彼女は渾身の力で髪をかきむしっていた。



その謝罪は、死者へか、ローへか。


はたまた、神とやらか。












 

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あきゅろす。
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