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めいん










『あぁ……ジーザス。
お父さん、お母さん。わたしは今日この男によって汚されてしまいました……』

「誰が何だと?」

『野蛮人、獣め』

「潰すぞ、チビ」



アイリを無事に洗い終えた彼は、あろうことかそのまま自らの衣類を脱ぎそのままシャワーを浴びたのだ。



おかげで彼女はずぶ濡れの状態で慌ててバスルームからで出ていった。



彼はといえば、全く悪いと思っていないようで。
しれっとした顔で身体を拭いている。



ふかふかの白いバスタオルで頭を乾かしながらローをきつく睨む。



ローはその姿が何だか、小動物に見えてならなかった。



『何が悲しくてそんな粗末なものを視界に入れないといけないんですか』

「おれの息子のどこが粗末、『そこに重点を置かないでください』




むしろ粗末なのはお前の頭の中だ と怒鳴り散らしてやりたくなった。



ローは怒りに悶々としているアイリを見ると、ふ と微笑みが漏れてしまう。



それから洗面所に置いてあった小瓶をアイリに向けると、一吹き。



シュッ



『……っふわ!!?ケホ、こ香水?』

「何だ。お前って意外とこの匂い似合うんだな」


ローはニヒルな笑みを浮かべて未だに濡れている彼女の頭を撫でる。



アイリは、ただ訳がわからず呆然としているしかなかった。




「おれが愛用してる香水だ。
……フフ。これでもう、おれの匂いしかしないな」



ローの、香り。



どうしてか、胸のどこかで嬉しいと思ってしまう。

もう血の匂いでも
嫌な男の匂いでもない。



やさしいローの匂い。




『え?いや…、あくまで!やさしいのは匂いであって………!!!!トラファルガーさんがじゃな…っ』

「随分でけぇ独り言だな」




ああもう。
調子が狂ってしまう。



勝手に、許可もなくわたしの心の中に入ってこないでください。

















 

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