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めいん









ローを見やれば、上着は脱いだもののズボンは裾を上げているだけでただ純粋にアイリを洗うつもりらしい。


渋りながらも彼女は着ていた白いワンピースを脱ぐ。



『別に、貴方がわたしを洗う必要はないのでは』

「てめぇの身長でシャワーのコックに手がとどくならな」




そう言われ、上を見れば、自分よりも遥か高い位置にあるシャワー。


椅子に登って背伸びをするがギリギリの所で届かなかった。




「海賊なりたてのガキの死因が風呂で足を滑らせて頭を強打なんて、笑えねぇだろ」



彼のその言葉に、アイリは観念するほかなかった。



しかし、彼女は意地でも自分の裸体を見られることが嫌だったらしい。

服を脱ぐ時は彼に背を向けさせ身体にはバスタオルを巻いた。



そんなアイリに呆れたようにため息をつきながらも、ちゃんと目を瞑りながら頭を洗ってやるローだった。



『……っぷ、…ちょ…と、わふ………!!もう少し…やさし、』

「黙ってろ、口ン中泡はいるぞ」




だったらもっとソフトに扱え。



アイリはぽつりと、心の中で悪態をついてみせた。




荒々しい大きな手。

背中を叩くシャワーの湯。

鼻をつく石鹸の香り。



認めたくないが、シャワーは全くもってつまらない訳ではなかった。










 


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あきゅろす。
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