[携帯モード] [URL送信]

めいん









『そんなことより、早く起きて活動してください。
他の方々はもうとうに起きていらっしゃいますよ』



アイリはローから布団を奪うと、くるくると器用にたたんで隅に放る。


彼はそんな彼女を他所に、再び布団を広げて眠り始めたのだが。



『怒りますよ?』

「………まだ眠ぃ…」

『いい加減、起きたらどうですか』

「命令するな消すぞ」




面倒な奴め。

心の中でそう苦々しい悪態をついてやる。



それからアイリは、目についた、デスクの上にあった万年筆をおもむろに掴む。



そんな何気ない、何の違和感もない行動。



しかし彼女は『とう』そのままベッドに突き刺した。



そのままブスリと刺さるか、ローが悲鳴をあげることを期待していたアイリだったが、その期待は見事なまでに裏切られた。



『……流石、2億の首ですね』



感嘆の意を表し、にこり と微笑めば返ってきたのは彼の鋭い眼光。


その視線に思わず呑まれそうになったが気を持ちなおす。



万年筆を受け止めたのは、どこかに忍ばせていたのであろうダガーナイフ。


ギリギリと金属同士が重なりあう奇妙な音がした。




ローはしばらく、アイリを見据えていたがようやく諦めたのか面倒くさそうにベッドから降りた。


「ったく。
どっかのチビがうるせぇ上に殺気全開で攻撃してくるから目が覚めたじゃねえか」

『わたしだって。
どこかの不健康極まりない大人が手間取らせるから疲れてしまいました』




じろりと互いに睨みあえば、再び互いにため息混じりに笑いあった。


そのあとローは、シャワーを浴びてくると言ってさっさとバスルームへと姿を消した。




アイリの首根っこをしっかり掴んだまま。












 

[*Back][Next#]

2/10ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!