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めいん








「……、!…、……!!!?」

『おはようございますご主人様。
その寝起きの素晴らしさには感服致します』



呆気にとられている間に、アイリは完全に彼をベッドから叩き出す。


彼女にとってこの呼び方は普通だがローは全くもって耳慣れない。

あまりの驚きにいつまでも言語化できずにいると彼女は首を傾げてみせる。



『どうかなされましたか?
首を絞められた鶏のように間抜けな顔になっていますよ。ああ、いえ、元々でした』



自分でも、全く可愛くない態度だと思ったが口から出てしまうのは刺を巻いた言葉。


本当は鎖を外してくれた礼を述べたいのに。そう、彼女は渋った。



「………、そ、の呼び方、やめろ」



ローが紡ぎだしたのは、怒りの言葉より否定だった。



『呼び方?』問う。『お気に召しませんでしたか』

「気に召すどころじゃねえだろ。
ったく、鳥肌がおさまらねぇ……」



彼は自らの腕を差し出して指をさしてみせた。

子供のようなその仕草に、思わずアイリは笑ってしまう。



「何笑ってんだ」

『いえ、何も』


必死に笑いを噛み殺して彼女は言った。



首を傾げて不機嫌そうに唇を尖らせる彼を見て、不覚にもアイリは楽しくなってしまうのだった。








 


 

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