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めいん
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そして、現在はアイリ船長室の前にきている。




木でできた温かみのあるデザインの扉には“KEEP AWEY”の文字。



『……………、…?』



少女は文字が読めなかった。


簡単な単語はわかるものの、文となるとどうも理解しきれなくなる。



アイリは特に気にもせず、熟睡中のローがいる部屋をノックするのだった。




『おはようございます。起きてください、朝です』




少し大きめの声で言う。
しかし中からの応答は、一切合切ない。



彼女は断りを入れてから、カチャリとドアを開ける。



そこにはやはり、布団にくるまったまま微動だにしないローがいた。


不気味なほどに静かな寝息は、彼の生死を疑いたくなるほどだった。




『起きてください、』



キャプテン?船長?キャプテン・ロー?トラファルガー船長?トラファルガーさん?ローさん?お頭?トラファルガー様?ロー様?外科医?




なんて呼べばいいんだろう。



頭の中をぐるぐるぐるぐると、呼び名候補と言う文字の羅列が右往左往する。


それに困惑しながらもアイリはとりあえず彼を揺さぶり続けた。



起きる気配は皆無。



顔をしかめる所か、身動ぎひとつせずに眠るローに彼女は些か苛立ちをおぼえた。



『あぁもう、』



焦れったくなってきて、ついには彼から布団を剥ぎとる終い。


けれどもやはり起きないのがトラファルガークオリティであって。




ふ、とアイリの脳内で彼に対する呼び名が決まった。


ローはいちいち呼び名などで気にしないとは言っていたものの、ここは無難な呼び方をすべきだと彼女は考えたのだ。




『起きてくださいご主人様』



がばっ、と破竹の勢いでローが起き上がった。


彼のその腕に鳥肌がたっていたのは言うまでもない。









 

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あきゅろす。
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