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めいん










敬語を使うな と言われる方が難しいのに。



アイリは、廊下を歩きながらぶつぶつと独りごちていた。


生まれてからこの方、ずっとこうやって喋ってきたのをいきなり直せと言われても無理はある。



しかし“人造人間”の自分にはてっきり不可能と心なんて無いと思っていたが。

この船に乗ってから早速ボロが出始めてくるのだ。



『…………は、?』



こころ?



自分で考えておいて疑問立った。



そんなのは昔も今も無いものだ。と、アイリは一蹴し、自分に言い聞かせる。



第一、こころなんて言うものは定義くらいしか知らないのだから。



どんどん湧いてくる苛立ちと疑問に頭を痛める。

アイリはそれを忘れるように未だ覚えていない奥の部屋のドアを荒々しく開けた。




「えっと。あー…
きゃあー、えっちい?」



そこは風呂場でした。





(分かった。分かった
これが怒りというものだ)





ドアの向こうで、ふざけた反応をした青年を一発殴りアイリはこう考えた。














 

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