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めいん










このままローと一緒に居るも良しだが、せっかくなら早く船に慣れようと思い部屋を後にすることにした。


ベッドから降りる時にギリギリと軋むスプリング。

それはどこか、アイリの胸が軋む音に似ていた。



歩くたび、床が小さな悲鳴を上げる。

大方ローが船に乗り始めた時から世話になっている仲間の1つなのだろう。




波の音
鴎の声
床の悲鳴
寝息。


どこにでもある風景、だけどなぜかアイリに違和感が生じた。




きゃら。
きゃらきゃら。


少女の首には、もう鎖はついていなかった。



『…、………、……、…、』



しばらく、驚きを隠せないままアイリは呆然と立ち尽くしていた。



外してくれたのはきっと彼だろう。




そっと目を閉じて、
声にしなくても少女はお礼の言葉を心から述べた。



そろそろ行こう。




まだ起きそうにない彼に微笑を向けてアイリは部屋のドアをぱたんと閉めた。












  

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