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めいん







冷たい牢屋の中。
まだ日が昇って間もない内にアイリは目覚めた。



コンクリートの上で、布団はおろか服さえも纏っていない彼女の身体は冷えきってガチガチと震えていた。



しゃがみこんで肩を抱く体制で丸くなってみるものの、あまり暖かくなりはしなかった。



首の鎖と首輪がさらに追い討ちをかけるように冷たさをもっていた。




『だ、れか』



しばらくまともな言葉を発していないその口からはかすれた、声とも言い難い音が漏れた。



助けてとは言わず、少女は 誰か とだけ呟いた。




「おい」



ふ と顔を上げると、そこには男が立っていて。



「今日の仕事だ、早く支度をしろ」


『………』






また脚でも開けというのか。



彼女は嫌がる素振りよりも面倒くさいといったふうな雰囲気だった。




『相手は。……もしや、貴方ですか?』

「そ、そんな訳ないだろう!
早く着替えと食事を済ませろ!!!」



着替えに食事……ということは、殺しのほうか。

男の慌てっぷりと言ったらなんの。
一気にはがれた仮面に向かってアイリは微笑を向けた。




長い一日になりそうだ。













 

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