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めいん









『…………』目を覚ました。



見知らぬ木の天井、ゆらゆら揺れる部屋、初めてかぶった布団に初めてのベッド。



此処は何処だろう。



アイリは、まだ半分眠ったままの脳みそを無理やり叩き起こす。

立ち上がろうとするが、何かが自分の身体を抱いていてそれは叶わなかった。



昨日“客”と寝たのだろうか。

しかし、事後にしては何も辛くないしだるくもない。
匂いもなければ疲れも。


隣で聞こえる規則正しい寝息はどこか安心感を誘い出す。



アイリはくるりと振り返って自分を抱きしめる男に向き直った。



『あ、』



そうか。
と独りごちてからアイリはそっとベッドから抜け出した。



自分はもう、奴隷じゃない。

トラファルガー・ローという男に拾われて海賊の一員となったのだ。



そう自分に言い聞かせる。
襲ってきたのは今まで感じたことのない安堵だった。









 
 

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