めいん
4
1週間、前。
あの日ほど自分の非力さを呪ったことはないと、おれは自責の念に駆られ続けていた。
アイリちゃんが死んじゃって、殺されて。
ドフラミンゴはいなくなったけどお人形のように動かなくなったキャプテンと。
死体のように動かなくなっちゃったアイリを連れて帰って来たまではよかったんだ。
……あぁ、彼女は死体か。
帰ってきてからびっくりした。
キャプテンはアイリちゃんを手術しはじめたのだから。
ここまではみんな、びっくりして何も言えなかった。
そしてキャプテンは、アイリちゃん(死体)をきれいにしてアイリちゃん(死後)を抱きしめて愛を囁いてアイリちゃん(死語)を氷漬けにしちゃった。
その時のキャプテンの、パァッとした晴れ晴れしくも清々しい笑顔にはお留守番してたクルーもおれらもみんな泣いた。
「見ろよお前ら!あぁ、良かった。
アイリは無事だったんだ!!」
だなんて。
悲痛にもほどがある。
あの時からみんなの悲しみは消えないんだ。
キャプテンが悲しんでいるからとか、キャプテンが立ち直れないからとかもあるけど何より。
みんなはいつの間にか、アイリちゃん自身を好きになっていっていたんだ。
あの白く愛らしい姿も。
不器用な笑みも。
綺麗な笑い声もみんな。
もう2度と。
彼女に会えはしない。
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