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めいん










ナイフが離断させたのは、わたしとわたしの髪の毛だった。




引っ張られすぎて、既に爪先立ちの状態だったわたしにとっていきなり髪を切り離されたことは支えを失ったも同然で。



そして、わたしは膝から崩れた。



髪を切られた後も、全く彼の意図が理解できなくて呆けているしかなかった。




「言ったよなァ」

『なに、を』

「フッフフフ……!!!
おれは髪が短ぇ女は嫌いなんだよ」

『え?ぁ、』



ぱさりと、無惨に床に散って行く髪の毛の束と軽くなって違和感だらけの頭を交互に触って。


それから、ゆっくり見上げた。




ドフラミンゴは背を向けてこの場から去ろうとしていた。





「髪の短い女にだなんて興味ねぇんだよ。
………とっとと失せろ」





最後のセリフが震えていたのが嫌というほどわかった。



わたしはただ、言い様のない感情がいっしょくたになってぐじゃぐじゃになって。

やり場のない気持ちを涙と一緒に流して一言だけ言った。








































正確には“言おうとした”。




「………っま、てよ、!!!!!!!」






ローに遮られてそれは叶わなかった。



後ろを振り向けば、ローがこれ以上ないほどに唇を噛みしめながらドフラミンゴの背中を睨み付けていた。


刀の柄を握るその指先は真っ白くなるほど力が込められているのが見てわかった。





だめた。
直感がそう叫んだ。



「ざけんな!
てめぇは……ッ!!!!!!ぶっ殺してやんねぇと気が済まねぇんだよ!!」

『だめ、ロー!』



今にも飛びかからんばかりの勢いのローの腰回りを押さえつけて宥めにかかる。



みんなも心配そうな目で見ていたけれどローの眼中には何もうつされていないようだった。




ギラギラと、野獣のように猛った瞳をしているのにその中には悲しみと怒りしか滲んでいなかった。



よほどその孤高のプライドと自尊心が傷つけられたのだと見受けられる。




でも、でもだけどけれどだけどもけれどもだけれどもだがしかし。











ドフラミンゴが、
黙って、る、わけ、ない。















































「そんなに殺されてぇのか」




あーあ。
結局こうなるのかぁ。








わたしは自らの腹部に深々と刺さった刃を見て、ちいさくため息をついた。





きっとこれ、死ぬんだろうな。





そうしてわたしはローに向かってひとつ、小さな笑みをも

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