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めいん
















「檻の中にいれば」
「まだ長生きできたものを」





ドフラミンゴ様の……いや、ドフラミンゴの唇が薄く開いた。


そこから漏れた言葉はひどく歪に歪んでおり、わたしは思わず耳を塞ぎたくなったほどだった。




でも、そんなことをしている暇もないわけで。



彼が強く地面を蹴るのがわかったから、本当だったら今すぐ逃げなきゃいけないはずなんだけどなぁ。




どうしてか身体が全く動かない。




その原因がドフラミンゴの能力によるものだと気付いくのにはさほど時間を要さなかった。





「っアイリ!!!!!!」








ローが叫ぶ声が聞こえた。









見ればローがこちらへ向かって手を伸ばしているのがわかったが、彼の手を掴む前にわたしは思いきり後ろへ引っ張られた。




頭皮を剥がされるんじゃないかってくらいの力で髪を引っ張られて、息がつまる。




ひゅ、と何とか短く息を吐いた頃にはドフラミンゴの右手にナイフが握られていたのが見えた。




正しくは、ナイフが降りかざされているところ。かな。




わたしが見た限り、ベポは叫んでいてキャスケットは目を見開いてペンギンは走りだしてミスターは武器を構えてローは叫んで目を見開いて走りだして武器を構えていた。



でもきっと。


誰のどの動作も間に合わないんだろうなぁ。って、率直に思った。



ここで、ドフラミンゴの最後の言葉をようやく理解する。




海牢石入りの牢屋にいて有利なのはわたしの方だったんだって。


彼の方こそ本当は手出しができなかったんだと。





でも後悔はない。




あそこでただ待っているだけだなんてできっこない。



ロー達が死体になる様なんて死んでも見たくない。



彼の死に際だなんて見たくない。わたしが死んだ方がよっぽどマシ。




だから後悔はしないよ。






銀色に鈍く光るナイフが首筋を走ったと共に、わたしは崩れ落ちた。





















誰かが泣いているような気がした。



















 

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あきゅろす。
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