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めいん










「アイリっちゃぁああああああああっ、んんん!!!!!!」

『ベポ!?』





突然、白い塊が牢屋へと体当たりしてきたのだからこれにはアイリも目を張った。




もぎゅもぎゅと、ベポはその巨体をも関わらない。

柔らかい身体を使おうと考えたのか、ふわふわの毛を台無しにしてまで牢屋の間にのめり込んできたのだ。



あまりに唐突で不可思議な光景にアイリはついつい呆然とし続けた。





「おれ、らが会った時っ!
ひどいこと言っちゃってごめん!!!!!」

『ぇ、あ?』


「熊でごめんなさい!おれが熊だから泣かせちゃったのかな熊ですみません!!!」

『べ、ベポ』




彼らの馴れ初めを悔いているのか、ベポはその勢いとは裏腹ではあるが謝罪の言葉を出来る限りで出す。




アイリを助けたい。


ベポはその一心だったのだろう。
彼はただ彼女に向かってその腕を力いっぱい伸ばした。





しかし、やがてその動きを全停止させてだらりと力なく項垂れた。




いきなり、動かなくなった。




アイリの脳裏には彼の毛が赤く染まる様が移しだされたが、それはとんだ早とちりだと次の瞬間に知った。




「きゃ、キャプテンどうしよう!!
挟まっちゃった!」

「ぶっ」

「あっはっはははは!!!!ざまぁ!」




ベポの悲痛な声に、ペンギンとキャスケットは非道に嘲笑った。


しかしながら本人は至って真面目なのか、その目尻には涙が溜まり始めているのがアイリには見えた。




「あっははははははふっふはっ!!!!
げほっうえ゛っひ、はははははははははははっ!!!!!」



ローはただ、びっくりするほど派手に笑うミスターを見て嘆息した。



ミスター本人はただ爆笑しながらドフラミンゴへと突っ込んでいくのだから。


ドフラミンゴも辟易したような表情を浮かべていた。




「いいねぇ!いい!!!!
さいっこー、お前らホントいい!!

アイリちゃん、ちょっと待ってなさいね!おじさんが今助けてあげるから」

『なん、で』

「君は理由が欲しがってるけど、おれらにはそんなのは些細なこと!
ローは君を愛しているキャスケットは君を慕いペンギンは君らの幸せを願いベポは君を心配している!まさかのこのフラミンゴ野郎も君に溺愛だぜ??
まさかすぎるよなぁあり得なくね!!?

こんなに愛されてる君へ一言!
“黙って助けられとけ”!!!!!!!」

『じゃあなんでミスターはわたしを助けようとするの!』

「娘を心配して何が悪い!
お父さんはそんな子に育てた覚えはありませんっ!!!!!」





ついつい笑ってしまったのは、ミスターがふざけているからではなく。


大真面目な顔して言うのだから笑わざるを得なかっただけ。







あぁ。ああ………。
愉快すぎて融解しそうだ。




































 

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