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めいん

















自分を呼ぶ声が聞こえた。




ドンキホーテ・ドフラミンゴは、ぐったりと力なく伏せるアイリから手を離して顔を上げた。



そして口角を歪める。



見るものが思わず嫌悪、辟易しそうになるほどの笑みだった。




これからもうじき、そこの扉を開けて来るであろう来訪者の表情を予想しながら彼は最後にアイリの顔へ欲を放った。



彼女の意識は既にない。



ぴくりとも微動だに動かぬ彼女を手放して、床に転がす。



灰色の床に白いアイリの四肢がころがり。

黒色の檻が彼女から流れる血を鈍く光らせる。




この灰と黒の世界にとっては、彼女の白とその肌を駆ける赤はあまりにも異端的すぎた。





ドフラミンゴはそのあまりにも背徳的な美しさに思わず見とれていた。



しかしやがて頭を振って我を取り戻す。



次の刹那だった。



ノックにしてはあまりに暴力的な。

ただ開けただけと言えばかなり粗悪な方法で。





適切に述べれば、扉が吹き飛んだのだから。



ドフラミンゴは自然と上がる口角を抑えられなかった。








































『ロー……たす、けて』



自分を呼ぶ声が聞こえた。



その拙く、今にも消えそうな声は事実上はアイリのものだ。


しかし何せ当の本人はここにはいないのだから、記憶上のものか最悪は幻聴となる。



ローはその事実に頬を弛緩させながら階段のひとつひとつを駆け上がる。




何故か、今なら全てが叶いそうな気がした。




今なら海を泳げるし今なら空をとべる。今なら死ねるし生きることもできる戦える。きっと。




きっと、きっと……―。


















素直に、アイリに好きだと言える。


























アドレナリンの分泌のしすぎでも、理性が利いていなくとも構わない。















あぁつまり。
おれは彼女を愛している!







































 

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