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めいん










「ローも丸くなったねぇ」

「ァ?」

「何でもありませんよ船長ー」

「ほら2人とも早くっ」








ぐるりと天へ天へ続く階段を彼らはただ笑いながら駆け上がっていく。




無信教者の彼らがどうしてそこまで楽しそうなのかと問われれば、答えは至って単純であり明快だ。





上が、地獄だから。





しかし彼らの表情といったら。



あまりに爽快すぎて。
無法者の愚かさを嘆き哀れみさえ忘れてしまうほど透き通ったものなのだから。



「アイリか……あぁ、もう3時間も側にいねぇのか。
通りでわびしいと思ったぜ」



うんうん。
と、わざとらしく首を振ってみせるローに2人は嘆息しつつも笑う。



「はいはいノロケは結構。
何、あの子って麻薬なのかい?」


「キャプテン、アイリちゃんいないからって禁断症状起こさないでね!」

「つかよ、あと1分経過まで10秒なんだが」

「じゃあもう10秒おまけしてやったらどうだい」

「先に上で待ってたらー?」

「それいいんじゃないッスか?な。ペンギン」

「上で待ち合わせか。じゃあ急ぐぞキャスケット」




1人が2人。
2人が3人になって。


そして3人は5人になる。




そして。それから。




「遅れてきたクセに調子のんじゃねぇ!」

「待ってよキャプテン!」

「ちょっと競争は止めてくれよ!!オジサンの腰に配慮を!」

「あっははは!よーいドン!!!!」

「普通、合図で実弾撃つか?」

「ーーー、く、ククッ、!」








5人で6人目を迎えに行こう。




囚われのお姫様は待っているよ。


高い高い牢屋に閉じ込められて、王子様の助けを待つんだ。



でもお姫様は素直じゃないから、何も言えず涙も流さずに待ち続ける。



さぁ、あとは。
お姫様を拐った魔物を倒すだけ。





「ド、ンキ、ホーテっ屋ァアあああーーー!!アイリ返せーー!!!!」





さて、あとは誰のハッピーエンドになるのかしら?















 

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あきゅろす。
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