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めいん










ローの合図で、一番最初に動いたのはペンギンとミスターだった。



軽々とメインマストを駆け上がり、目に止まらぬ速さで彼女の元まで来たのだから。


これにはアイリも目を張った。




あの険悪な仲の2人とは思えないほどのコンビネーションに、思わず誰かわからなくなる。




ペンギンの鋭い蹴りをかわしたドフラミンゴの動きを読んでいたかのように、今度はミスターが素早く正拳突きを。


当たることはなかったが、ドフラミンゴの顔から笑顔が消えたほどだ。




彼は無表情のままに甲板へと降り立つ。



それから続いて。
音もなく甲板に突き刺さったのは1つの弾丸。



ドフラミンゴが避けなければ確実に彼の脳天を貫いていたであろう、銃弾だった。




相手はサイレンサー付きの銃を使っているのであろう。
ドフラミンゴは見えない狙撃主に舌打ちをした。




しかし、立ち止まる敵に息をつかせる暇を与える彼らではない。


ドフラミンゴが体制を立て直す前に、ペンギンとミスターの2人が。
続いてベポも追い討ちと言わんばかりに駆け出した。




そうして彼女は、彼の腕の中でたったひとつの言葉を聞いた。

失念していた。だがそれに気づくには時は既に遅すぎだった。




「とっとと片すか」




そうだ。
この男は最恐だった。








アイリが声を発するよりも早くドフラミンゴの指が動いた。




ああ、あぁ。




彼女は再び滲み始めた視界の端にミスターをコンバットナイフで刺したペンギンを見た。



刺さる、溢れる、ぐらつく、倒れる。



被害者であるミスターよりも、ペンギンの方が驚愕に目を見開いていた。

しかし、その身体は彼の意思とは否応なしに仲間たちを傷つけていくのだった。




それを見たローは、ただ静かに舌打ちをした。




「おい、キャスケット」



唇を開いたのはペンギンだった。


その声音は誰のものかわからなくなるほどに冷静で、困惑しそうになったほどだ。



彼はただ、一拍ほど間を空けて姿の見えないキャスケットに話しかける。




「そこからは射程範囲内か?」

「、んー……だな」

「わかった。じゃあおれを殺せ」





























「うん。わかった」



















 

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