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めいん












『あ、ァ、』

「よぉアイリ。
フッフッフ……なんだ?しばらく見ない内に血色良くなったじゃねェか」



舌舐めずりの似合う男だ。
アイリは恐怖で支配された脳の隅でそんなことを考えた。



腕を掴まれ、その広い胸板に押し付けられた後はただ慈しむように頬を愛撫された。

ひやりとした、人間味を感じられないその手に発狂しそうにまでなった。



「フッフフフフ……!!!!!
んだよ、新しいツラ見せるようになったな?」



人間くせェ。
そう言われたと思えば今度は頬をひっぱたかれた。


パァンだなんて乾いた音が澄んだ空気に響き渡る。




目尻に溜まった涙のせいで、視界に入るピンクやら空の微妙な色合いやらがぐちゃぐちゃになっていて、とことん気味が悪かった。




でもだけどけれども。



飛び込んできた青色だけは見逃さなかったのは何故?



「…………“ROOM”」

「チッ」



甘いテノール。
彼女はそれに手を伸ばしたが、その短い腕では届かない。


俵担ぎにされたと思えば、ドフラミンゴはメインマストのてっぺんにまで飛んでいく。

フラミンゴは確か飛ばないはずなんだけどな。
だなんて考えられたのは、心から安心できたため。




「ウチのクルーはお持ち帰り禁止なんでな……。
諦めてくれよドンキホーテ屋」

「フッフフフ……!!!!!!ガキが」




気づけば、クルー全員が各々の武器を構えて周りを囲むようにして立っていた。


誰も真剣な眼差しで静かにこちらを睨んでいる所を見ると、酔いはとっくに醒めたのだろう。



七武海相手に、誰も脅えたような様子は見せなかった。



『っろ、ぉ!!!!!』





最後の涙が流れれば、ほら。





「待ってろ。アイリ」



視界はクリア。

あとは愛しい貴方を眺めるだけなんて、簡単なことでしょう。







 

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あきゅろす。
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