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めいん










食事を終え、一息つくとクルーたちは雑談をはじめる。


いつもは特になんのへんてつもない会話だが今日はアイリを質問攻めだ。



彼女は大勢の人間に囲まれて困惑の意を見せる。

その姿をみて、助け船でも出そうかと思ったがクルーの楽しそうな顔を見てから今、水を差すのは止めておいた。



アイリには少し酷かもしれないが。



「オムライス知らないって。いつも何食ってんだよ?」


『基礎的な身体作りのため、栄養剤や筋肉強化のためにプロテインや……たまに携帯食料を摂取していまし、た』

「何だそりゃ?
海軍はまともな飯も出してくれねぇってか」

「キャプテンに拾われて良かったなぁー、海軍よりこっちの方が天国だぜ?」

『………………。』



心なしか、アイリの顔がやつれている気がする。


何度か目でSOSを訴えているが、おれは気づかぬフリを決め込んだ。




「てかさぁ、」



それは、驚愕。

このクルーの一言がまさかの爆弾発言だったことなど誰にも知るよしはない。




「さっきさ、なんでベポに勝ったのに泣いたんだ?」




『え』一拍遅れの疑問。




「確かに!喜ぶよな、普通」



どうして、そうアイリの返答を待つ一同。



その中で、彼女は言いづらそうに渋った。



『……戦闘用奴隷でしたので。
殺戮衝動は自動で快楽にかわる設定になっています。
ですが、わたしは血が、きら、いで。だけど殺したいという葛藤に迫られるのです』



彼女の返事に、誰も特に訝ることもなかった。

ただ、新たな疑問が咲いただけ。



「血が嫌いってさ、アイリちゃん、戦えるのか?」




空気が張り詰めた。










 

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