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めいん










「おっ!お帰りなさい船長!!」
「アイリちゃんもお帰り!」
「船長、アイリにゃ朝帰りはまだ早ぇ歳っすよ!!」





帰ってきた船内は、まだ朝方だというのにみんな元気に迎えてくれた。



ほとんど茶化すように囃し立てるクルーだが、ローの帰還を喜んでいることなど一目瞭然だ。




2人は皆に小突かれながらも、嬉しそうにはにかむ。





そして、ローがいきなり倒れた。






アイリは始め、かなり驚いたものの規則正しい寝息が聞こえてきたことに安堵した。

緊張の糸が切れたのか、少しだけ熱っぽかったがすやすやと眠るローをアイリは抱きしめた。



『みんな、ありがとう。
ロー疲れてるみたい。だから、部屋に連れてくね』

「おう宜しくなトラファルガー・アイリさん!」

「ほんと、新婚さんみてぇだな」

「だっはっはっ!随分と小さな奥さんだなそりゃ!!」



ひょい と担ぐことはできなかったがそれなりに引きずって部屋まで運ぶ。


アイリの背中に投げかけられた揶揄に、彼女は振り向いて舌を出してやるのだった。



『おあいにくさま』



アイリそう言った。

しかしその頬は熟れた林檎のように真っ赤で、説得力のカケラもなかった。































『よ、いしょっと』




ローを彼の自室へ運び、ベッドに寝かせる。


嫌がらせついでに頭の上まで布団を被せてやったが、さっぱり起きそうにもない。



よほど疲れたのだろう。



アイリは今度は優しく布団をかけなおしてやる。
ふ と彼の心地よさげな寝顔を見ていると、ついこちらまで眠くなってきた。




いけない。

そう思ってふるふると頭を揺するが、睡魔は執拗に彼女に手招きをするのだから。




1時間ほどは我慢して、ローの額に濡れタオルを置いては取り換えを繰り返した。



しかしいつの間にか、アイリは睡魔の手中にはまってしまったのだった。









なぜか浴槽に上半身を突っ込んだまま寝ているアイリを、起きたローが見つけるまであと4時間。











 

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あきゅろす。
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