めいん
3
「くそ、奴隷のくせに…!!」
「暴れるな!おとなしくしろ!」
「そっち抑えろって!!!!」
「やってるよ!、ぃってぇ!」
(ロー、ロー、ロー!!
気持ち悪いきもちわるい!)
男4人がかりでアイリを殴って押さえつけて、牢から連れ出すことができた。
しかし、彼女もせめてもの抵抗として暴れる。
だが、散々殴られたせいで臓府の1つを損傷したため、思うように力がでない。
(触らないで!!!!!!)
「この……っ!大人しくしろ!」
『ッぐ、ぶ、』
もう一度殴られれば、口内にじわりと血の味が滲む。
そのため呼吸器に血が詰まり、息がしづらくなった。
ヒュウ、ヒュウ。息をするたびに、か細い音が聞こえる。
「おい、加減しろって
死んだらどうするんだよ!」
「これくらいで死ぬかよ。こいつは、」
“バケモノナンダカラ。”
その音だけが、酷く鮮やかに醜く鈍く響いた。
アイリの鼓膜をつんざいたそれは、彼女の脳内をしばし行き来する。
やがて溶け込むと、激しい虚無感と欠陥感が同時に襲ってきて、身動きがとれなくなる。
全くもってそのとおりだ。
自分は化け物だ。
悪魔の身を食し。
尋常ではない力を持ち。
容姿も成長しない。
彼女を受け入れたハートの海賊の方が稀少なのだ。
(さっさと殺そ)
とゆーことで、
『みなさんさようなら』
[*Back][Next#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!