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めいん











「!、止まれ」



ローはいち早く、敵がいることを視覚聴覚嗅覚やら肌に伝わる気配から察知した。



後ろ手にアイリを制する。
彼女は見事に、驚くべきスピードで従順に命令通りに立ち止まる。



物陰に身を潜めて足音を伺う。
1、2、5……総勢9。



彼らの会話から推測できるのは暢気にもこれから酒を酌み交わすらしい。


ローは慎重に、海軍に気付かれぬようにアイリへそっと話かける。



「お前はここにいろ、おれがすぐ殺ってくる」

『暗殺?それとも暴動?』

「暗殺だ」



声を小にして、密談を心掛ける。



しかし相手も海軍。

そんじょそこらのナマクラとは違って気配に気づいたらしく、サーベルを抜く音がした。





それと、隣から。



『暗殺なら、わたしの方が得意』



そう彼女が言い終えた時、否、言い終える前に辺りは一掃されていた。





男たちは、糸の切れた操り人形の如く声もなく崩れ落ちる。


死因は刺殺。

だけど辺りに血の海は出来ない。確実に急所のみを狙っている。



そのあまりの速さと手際の良さについつい感嘆の声が出る。



『早く行こう』



窓から死体を投げ捨て、完璧に証拠隠滅。


血痕さえ残さない手練れた玄人の手付き。



見た目とやることが一致しない愛らしい彼女は、早々とこの場から立ち去ろうとする。



しかしすかさずローが阻止。


彼女は迷惑そうに顔を歪めて見せたが、彼の1言に唖然と焦燥。そして赤面した。



「そっちは行き止まりだぞ?」















 

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