小説(らくがき)
探せハッピーエンド!【R15】続き書きかけ会話のみ《うた腐リ…那翔、砂翔》
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↑これの続き書きかけです。
「……ん、ふわぁ〜……朝、か……」
目が覚めた翔は、むくりと起き上がる。どうやら倒れた瞬間眠ってしまったらしい。
カーテンを開けようと広い部屋を歩き、窓の前で止まる。そして勢いよくカーテンをガッと開けた。
が。
「あれ……? え、まだ夜?」
窓の外は、眠ったときと同じくらい暗かった。
「ちょっとしか寝てなかったのかな?」
翔はそう思って、再びベッドに寝転がるが、全然眠くならない。
「……那月と砂月の部屋に行ってみようかな」
あの二人ならこの不思議の答えが分かるはすだ。
何の根拠もなくそう思った翔は、まず那月の部屋に向かった。
那月の部屋の扉をコンコンとノックする。
「どうぞ〜」
那月のほわわんとした返事に少し和んだ翔は、扉を開けて部屋に入る。
「いらっしゃい、翔ちゃん」
「どうした、チビ」
「チビじゃねぇ。えっとさ、今って夜なの?」
「? そうですけど、どういう意味ですか?」
「い、いや。ぐっすり寝たのにまだ外が暗いから、ちょっと不安になってさ」
「ああ。そういえば言うのを忘れてました。客人は久しぶりだったので」
「え?」
「ここの一日って、翔ちゃんたちが住んでるところの一時間なんですよ」
「ええ!?」
「だから、夜は10日続きます」
「ま、まじで……?」
「大丈夫ですよ。歳の取り方は外界と同じですから」
「そ、そうなのか」
「……そうだ。せっかくですから、ここに住んでみませんか?」
「はぁ!?」
「夜が明けるまで、大体一年ぐらいですかね。住んでみませんか」
「嫌だ! 皆が心配して――」
「そんなことありませんよ。だって、一日が一分なんですから」
「……そうだけど、そんなに世話になるのも、迷惑だろうし」
「じゃあ、仕事してもらいます」
「仕事?」
「相手を、してくれませんか」
「へ」
「僕たちの相手をしてください。期間限定で。それならいいでしょう?」
「………」
「ね?」
「わ、わかった」
「わあ、嬉しいです! じゃあ、よろしくお願いします!」
「……ふぁ……」
目が覚める。背伸びをしようと思ったが、身体に絡みつく二人分の腕たちに邪魔をされた。
裸で男三人がダブルベッドに寝ている。ある意味滑稽なこの格好は、誰も見ていないと言えども恥ずかしい。
右を向いても左を向いても同じ顔。でも、どっちがどっちかなんて、すぐにわかる。
「…………邪魔」
天井を見上げながらポソッと呟くと、右と左の顔が両方とも瞳を開けたのがわかった。
「…酷いですぅ。昨夜はあんなに可愛く僕を求めてくれたのに」
「…随分な言い方だな、チビ。昨夜喘いでたときの素直さはどこ行ったんだ?」
「俺はどうしてそんな恥ずかしいことを無表情に言えるのかわかんねぇよ」
「ほらさっさと離れろ!」
「あ、動いたら……」
起き上がると、腰に衝撃が走った。
「いっだ―――!!?」
「バカだろ」
「お前らの体力の方が馬鹿だろ!」
この絶倫野郎! と内心で叫ぶ。もし口にしたら、もっと酷いことをされるとわかっているから。
「……あのさ、一つ聞いていいか」
「なんですか?」
「外の一時間がここの一日って言ってたよな」
「ああ」
「今日、ここに来てから12日目だよな」
「はい」
「じゃあさ、なんで一向に朝が来ないんだ……?」
「……ふふっ。さあ、なんででしょう?」
「那月!!」
「わかった。教えてあげるよ。……時計を見てごらん」
「時計? どこにあるんだ?」
「翔ちゃんなら知ってると思うよ」
「俺なら……?」
「いいのか、那月。真実を教えても」
「うん。構わないよ」
「……飽きたのか?」
「まさか。まったく。多分飽きることはないと思うよ。さっちゃんだってそうでしょ?」
「……ああ。じゃあ、なんで」
「僕、翔ちゃんには嫌われたくないんです」
初めて好きになった人だから。
「だから、真実を見せてあげる。でも……逃がしてはあげない」
「……あのチビはバカに見えてまあまあ賢い。嫌われずに捕まえるなんて難しいだろ」
「いえ。簡単ですよ。……そうだ。一つ、教えてあげますよ、さっちゃん」
「快感を知った人間は、簡単にそれから離れられないんですよ」
そして、と言って、那月はニタリと笑う。
「絶望した人間ほど、すがらせるのに適した人間は、いないんです」
「…………う……そ、だろ………」
時計の針は、翔がこの屋敷に入った17時40分からまったく動いていなかった。
「壊れて……たら、那月はあんなこと言わないよな」
でも、もし、この屋敷の時間が止まっているならば、辻褄が合う。
時間が動いていないなら、外の明るさは変わらないし、年だってとらない。そして、誰も翔の心配はしない。
「マジで、時間止まってるのか?」
その森に一度入ったら、出られない。
翔はふと、そんなことを思い出した。
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