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REBORN!
さよなら永遠の片思い(綱吉)



…………好きです


その言葉は私の心の中に


さよなら永遠の片思い


「小牧ー」

「ん?どうしたのツナ」

その少年は綺麗な茶色の髪の毛をふわふわ揺らしながら来た少年、沢田綱吉。通称ツナ


「あ、あのさ…」

私の前に立つともじもじしながら、何か言いたそうな顔


「……京子なら今お手洗い行ってるよ。もうすぐ帰ってくると思うけど」


「え、あ…ありがとう!」


そう言うと私の席の前に座った


「………ツナはさ、」

「ん?」

真ん丸い大きな瞳と目があった
聞くなと私の理性が言うが好奇心には勝てず、口を開く


「京子の事好きなんでしょ?」

「え、あ………うん」


小さな声で顔を赤くして答えるツナを見て心がチクッとした



「そ、そう……私は応援してるからね!」



無理やり作った笑顔で勢い良くツナの背中を叩いた


(……聞かなきゃ良かった)



そう、私が思っているなんて貴方は夢にも思ってないでしょう










最初の印象は"容量の悪い人"

自分の事だってあるのに、他人から押し付けられた仕事も断れない


もちろん、その仕事が彼に出来るわけもなくて



声をかけたのは私から

「大丈夫…?」
「え、あ…うん」

わかりやすいほどの作り笑い


(……ほっとけなかった、んだよね)



そこから仲良く、とまではいかなくても話す仲になるまでには時間はかからなかった


話す内容と言えば、本当にくだらない事ばっかりで。あの先生は絶対ヅラだとか、沢田のテストの点数からかったり


「っていうか、なんで好きになっちゃったんだろ…」


言っちゃ悪いが沢田よりも、獄寺や山本のほうが断然モテる。そりゃあもうモテモテだ



それでも心は正直で、気付くと沢田を見ていたり、調理実習で作ったものを沢田にあげようともした(結局あげられなかったけど)


はぁ、と小さなため息をつくと同時くらいに後ろから話しかけられた


「ただいまー」

振り返ると笑顔が素敵なうちの学校のマドンナ


「おかえり、京子」


相変わらず笑顔が素敵だ、と思う

沢田のことは好きだけど、それ以上に京子が大切。


「そーいえば沢田がね、京子の事探してたよ」

「本当?なんだろ、ちょっと行ってくるね」



京子を笑顔で見送る
ちょこちょこと私には真似できない可愛らしい走りで、沢田の元に走っている京子


(沢田、わかりやすすぎ…)


顔をこれほどにないくらい赤く染めて、誰が見てもわかるほどに嬉しそうに話す沢田


背だって2人とも同じくらいで、沢田だって結構かわいい顔している(と思う)


そんな2人が余りにもお似合いで

沢田の笑顔はどこかいつも私に向けられているものとは違くて



休み時間なんて早く終われば良いのに、と思いながら顔を机に伏せた




















放課後、特にやることもなくてぼーっとしてたら担任に仕事を任されてしまった


いつもなら嫌と言って走って逃げるのにそんな気力さえ起きずに、仕事をする


「…はぁ」


もう本日何度目かわからないため息をついた


告白してしまえば楽になるだろう


でもこの関係を崩してしまうのが、繋がりを無くしてしまうのが何より怖い


それに告白したところで結果は目に見えている



(いるけどさ…)


頼まれた書類をまとめて、またため息

外を見るともうオレンジ色の空が広がっていて、部活をしている生徒たちの声もたまに聞こえるくらいになっていた



(…帰ろ)


ガタッと自分の責任を立って荷物を取る


放課後の教室は昼間と同じ空間とは思えないほど静かで不気味だ



「あれ、小牧…?」

教室を出て廊下を歩いていると後ろから話しかけられた

振り返らなくてもわかる、声


「………沢田」


出来れば会いたくなんてなかった


「どうしたの、小牧が残ってるのなんて珍しいね」


「ちょっと先生に頼まれ事してたからさ」


いつもの笑顔で語りかけてくる沢田に、私もできる限りの笑顔で返した

はずだったのに

「小牧…何かあった?元気無いね」


「え…」


"相談あったら乗るよ?"と心配そうに見てくる彼。たまにおせっかいだけどそんな彼が憎めなくて…大好きで


「別になんでもないよ?」

誤魔化そうとしても


「嘘。笑顔がいつもより堅いもん」

すぐにバレてしまう


「……………」

好きだよ

「小牧…?」

ねぇ、私の気持ちに気付いてよ


「本当に、何でもー…」

ぎゅっと握った拳を握ると自分の爪が食い込んでいたかった


「小牧…俺達友達だろ…?」


あぁ

馬鹿みたい


「本当に何もないの…ごめんね、ツナ。外で友達待ってるから急がなきゃ、ばいばいっ……」


咄嗟に出てきた嘘を吐いて、薄暗い廊下を駆け出した


もちろん後ろからツナが追ってくることなんてなくて


勢いで告白してしまおうとした自分に嫌気がさした


―…小牧…俺達友達だろ?


友達、か

それ以下でもそれ以上でもない私は彼から見たら恋愛対象外なんだろう


さっきまで握りしめていた手をみると、血が止まっているのか真っ白になっていた



「くっ……」


気付くと頬には涙の筋が出来ていて、誰もいない廊下には外から聞こえてくる部活動に励む人たちの声が響く


「……っ……」

私の小さな声はその声にかき消されて


いっそうこの恋心も消されてしまえば良いのにと思いながら、流れる涙を拭った―…








●end●


―――――――――――――

なんでいきなり悲恋書こうと思ったのか、聞かないでください。自分でもわからないので←

ツナくんの笑顔は犯罪だと思います。みんな堕ちてしまうでしょう、そして巡れば良いと思うよ(意味不明)






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