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REBORN!
unrestrained you(雲雀)

「恭弥くんって、黒猫みたいだね」

「は?」


全く彼女の性格は掴むことが出来ない

unrestrained you



「だーかーら、恭弥くんって黒猫みたいで可愛いね。って言ったの」


「意味わからない」


突然小牧が言った言葉


"可愛い"


彼女、もとい小牧は

一応風紀委員で主に書類処理をしている


そんな彼女と何故一緒に書類処理をしているかと言うと、ただ今日は特に咬み殺す対象の群れている草食動物がいなかった訳で


(可愛いとか言われても嬉しくないんだけど)


せめて好きな人には"格好良い"と思われたい


(…なんて小牧には絶対言わないけど)


「なんでー?いいじゃん可愛くて、ほんと恭弥くんを弟にしたいよ!」


「……」


僕は出来れば弟じゃなくて彼氏になりたいんだけどな…


しかも黒猫から弟になってるし

「好きな食べ物がハンバーグとか、好きな食べ物までもが可愛い!」


うちの大好物なんてきんぴらごぼうだよ、可愛さのかけらもない!、と1人でひたすら話している小牧


「口動かすんだったら、手を動かしてよ」


本当はもっと聞いていたいけど、君を目の前にすると素直になれない


「えー…もっとお話しようよ!」

そう言って、また話し始める小牧


小牧の声は好き

いくら聞いていても耳障りじゃないし、心地よい気分になる


話している事はくだらないことなのに、彼女が話しているととても聞く気になる


「…そろそろお茶にしようか」


そう言って自席から立つ


「うちストレート!」


「はいはい」


言われた通り紅茶を用意する


「…はい」


コトン、と静かに男を立ててカップを置く

「わーい!ありがとう、うちの弟は気が利くなぁ」


そう言って紅茶を口に含む小牧


「……」


今、"弟"って言った?


それって完璧僕が恋愛対象外って事じゃないか

「相変わらずおいしいな、恭弥くんの入れた紅茶」



ニッコリと笑顔で言う小牧


普通の僕ならそんな笑顔に照れてしまうだろう


でも、今はそれどころじゃない


「……」


ろくに返事もせず、自分の入れた紅茶にも手を出さず自席につく


「何ー?もう休憩終わりなの?」


「…別に、ひとりで紅茶飲んでれば?」


そう、冷たくあしらう


「んー、じゃあうちも休憩終わりにするっ」

ひとりだとなんか嫌だし、と彼女は言った


再び書類に目を通し始めた僕ら


ただ、先程違うのは小牧が全く喋らないということ



つまり沈黙。







「ねぇ、小牧」


「……何?」

沈黙を破ったのは僕

「何で喋らないの?」


「……だって、恭弥くん機嫌悪いじゃん…うち何かした?」


心なしか彼女の目は涙で潤んでいるように見える


「別に、何もしてないよ」

彼女は何もしていない


悪いのは、僕だ

話を聞いて彼女に悪気は無いのに1人で怒ったりして、困らせている


「でも…」


ほら今にも涙が零れそうだ


「もうその話はやめよう、小牧」

「……」

"yes"とも"no"とも言わない小牧



でも僕の顔を視界から離さずに見ている


「…?僕の顔に何か付いてる?」

ずっと見てくるのだから何か付いてるのだろうと思い聞いてみる

でも返ってきたのは思いもよらぬ言葉


「き、恭弥くんが笑った……」


「は…?」



どうやら僕は無意識に笑っていたらしい


「僕が笑うのがそんなに可笑しい?」


…僕はあまり人前でわらったりしないからね、それが珍しいのかもしれない


「ううん!すっごくかわいい!」

あ、
また"かわいい"か


「ねぇねぇ、もう一回笑って!」

「…無理」

「えー」


でも、まぁ


彼女とこんな風にじゃれあえるのなら、"かわいい"でも良いかな


●end●

――――――――――
一度書いてみたかった!ヒロインを溺愛している雲雀さん\(^o^)/


でも溺愛というより振りまわされてますね…(笑)


あと雲雀さんサイドの話ってとっても書きやすいの(・∀・)


なんでだろうね?(聞くな)


そんなわけでうちは今日も元気でごわす☆

※unrestrained you(気ままな君)

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