檸檬
★
だっていやじゃん。
それが檸檬の言い分である。
いくら元女子高生とはいえ今は男子小学生、ファーストキスが男とかやめてほしい。
どれだけ相手が金髪碧眼の愛らしい美少年だろうと男は男、ここで悪ノリしてお互い笑い話にすることもできなくはないが、その後ずっと自分一人が引きずる事態は避けたい気持ちの方が勝った。
なにより見た目10歳前後の少年二人のキスシーンを演じるのは精神的にツライ。
「えー…ほっぺにフリでいいんだよ?やろうよ檸檬くん」
「嫌なもんは嫌です。」
「んんー困ったなあ、じゃあそのシーンだけ白雪姫を百合ちゃんにしちゃう?」
「ナルせんせー、それはさすがにムリや。ルカぴょんとユリ先輩身長違い過ぎるわ」
「ああどうしたら…檸檬くんわがまま言わずにちゅっとやってよ」
「おいこらテメエワザとだろなにだらだらダダこねてんだ」
「なんか面白いから。それこそどーせ衣装の直しが終わるまでは幕上がんないし、女装の上に男同士でチューとかルカ君が一等かわいそうだし俺もかわいそうだし」
「もうお前がやれ水玉!!」
「は!?」
「ん?オレ蜜柑とチューすんの?」
「ナル、こいつがルカの代役だ衣装もほぼ変わんねーだろさっさと幕あげろ
――てめえらいつまでこの衣装俺に着せておくつもりだ」
〜〜幕裏会議強制終了
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