檸檬
☆
そして原作通りに、選ばれたのは蜜柑のランプだったわけである。
だが、基本彼ら兄妹は仲良く一緒に行動する。
それが文化祭ともなれば当然のように双子がセットとなるわけであって。
「ごめんな兄ちゃんウチに付き合わせてーー」
「なんで文化祭なのに俺の妹は初日の朝から泣きっぱなしなのかわいそうに」
「うわあああああん」
不幸体質とでも言おうか。
もしくは蜜柑と棗が関わると物事が悪い方向に向かうというか。
まあこうなる事は予想はついていたので檸檬は特に落ち込みもしない。
だけど文化祭中は蛍やクラスメイトと一緒にお買い物をするんだと楽しみにしていた蜜柑は兄としてかわいそうだった。
「・・・・・・ルカ君、『全動物まっしぐらスペシャルアニマルフード』の引換券があるんだけど」
「えっ」
「文字通り人間以外の哺乳類鳥類が食べれる栄養満点フード味も一級品アリス能力者の手ずから作った食べた動物は病気にならないという伝説の品。技術系の子に頼んでどっかのペットショップ経営の社長が道楽で作ったはいいけど制作に金をかけすぎて原材料だけで目の玉飛び出る額になっちゃったもんだから絶版になったいわくつきの限定商品の在庫を今年の文化祭でこっそり売る企画があって、そのチケットを横流ししてもらったんだルカ君これ欲しくない」
「・・・・・・条件は」
「貰い物だけど5枚全部あげるから棗君の説得手伝ってくださいおねがいします」
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