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檸檬



体質系・特力系エリア、第一体育館。

特力系「RPG・アラジンと魔法のランプ」。



文化祭開始から30分。

特力系生徒は、なしてどーしていつの間に、という規模の迷路で埋め尽くされた体育館で、客待ちしていた。

場所的に不利なエリアである。客が来ない。



「こうも道を一人も歩いていないんじゃあスタートも何もねーよな・・・・・・」

「先輩ー、客引きしてきましたー」

「!?」



ぼやく翼の後ろから、蜜柑と檸檬が何人かの客を連れて現れる。



「ふっといなくなったと思ったら双子してどこいってたんだ!?」

「体質系で暇していた同級生と先生を誘いにいっててん!喫茶店だけで時間に余裕があるはずって兄ちゃんがゆってたから!」

「ついでに技術系の子に頼んで、潜・体エリアでも特力の宣伝アナウンスと花火打ち上げもしてくれるって約束取り付けてきましたー☆」

「ちなみに技術系の子っていうのは蛍の事で−す☆」



イェイッ☆とハイタッチした後、ランプの魔人の衣装でポーズを決める双子。



妹は欠伸をしたら壺から飛び出る女の子のような衣装を着て、ポニーテールを結っている。

そして髪を後ろに流した兄は、何故か妹の衣装の色違いをもう少し大人っぽくしたような衣装を着ていて、有体に言うと女装である。



つまりは文化祭に一人はいる女装させられた男子生徒に今年は檸檬がなったわけであった。

誰も着たがる者がいなかったものを着込み、お姉様方の要望に応えうっすら化粧までさせた彼は、妹と並ぶと姉妹にしか見えない。

振動のアリスで女の子の声まで作っている気合の入りようだ。



制服のスカートをはく程度ならともかく、衣装は露出の多いアラビアンな衣装。

その姿で別エリアまで行って宣伝までしてきたのかと思うと、彼は身体を張った勇者である。

実際は嬉々としてベリーダンスを披露していたのだが。



「なんだこのプロデュース兄妹」

「でもよくやった!客を掴めばこっちのもんだ!!」


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あきゅろす。
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