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檸檬



≪みなさん、文化と能力の融合の祭典の幕開けです!今回は残念ながらイベント祭は諸事情により中止となりましたが――

この日のために準備してきた力≠、1〜2日目模擬店祭、3日目パフォーマンス祭、最終日後夜祭で――

4組が正々堂々思う存分発揮してくれる事を望みます!

4組の個性と多彩な技のぶつかり合いに大いに期待します!≫



見た事の無い形状をした楽器を掻き鳴らすマーチングの音楽に乗り、動物パレードの行進やら昼間なのに空を彩る花火やら歌う風船やらがにぎやかに開会式を盛り上げる。

放送の通りにグラウンドは4組に別れた生徒の列が整列しており、その人数を見るとやはり特力系の生徒の割合は少ないんだなとそんな事を思う檸檬。



「さっきの人らすごかったなー兄ちゃん!」

「確かにな。小さい傷とはいえあんな一瞬で治せるなんて。流石は幹部生」

「幹部生?」

「ほら前見ろ、学園執行部(プリンシパル)の席。」

「え!?あの人さっきの!?」

「あそこに座っているのは幹部生とその補佐、能力別クラスの総代表、それから学園総代表だ。」



壇上を見ると、先ほど怪我した蜜柑と檸檬に声をかけてくれた上にアリスで傷を治してくれた人たちがそろって椅子に座っている。

そういえばよく思い出すと、彼らのつけていた星バッチは見た事のない形をしていた気がするので、蜜柑はあれは幹部生の証だったのかと思った。

しかし実際はあれは星階級の一番上(スペシャル)という意味である。



≪では全校生徒を代表して、学園総代表の櫻野秀一君の挨拶を――≫



「プ、プリンシパル?なにそれ新種のプリン?」

「プリンシパルっていうのは主役とか重要な役職の事。学園の生徒の間では執行部の事をそう呼ぶらしいぞ。

執行部は初・中・高、3つの生徒会を総べる学園トップの幹部生組だ。今話している人が総代表、その後ろに座っているさっき蜜柑の傷を治してくれた人は潜在系総代表だな。」

「そ、そんなすごい人らやったん!?ていうか兄ちゃん気が付いてた?」

「一回だけ話したことがあるんだ。」

「いつ?」

「編入するとき、生徒会の人たちとちょっとな。」



そうこう話していると櫻野総代表の話は終わり、式は開幕のテープを切るところまで進む。

テープが切られると一層音楽や歓声が膨れ上がり、文化(アリス)祭の開幕を盛り上げた。


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あきゅろす。
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