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小連載



「渡してきたよー、『姫』の犯行記録」

「結果は?」

「すでに真っ黒だけど現行犯逮捕に持ち込めないと無理そうだってさ。」



事の始まりは二日前。

ヤコの友人からの伝手でとある少女がこの事務所を訪れたのだ。

曰く『友人を殺した犯人を捕まえてほしい』とのこと。

報酬が言葉一つだろうと依頼されたなら請け負わなければなるまいとヤコもきちんと仕事していた。



「ところでネウロ、『餌』を撒くって言ってたけどどういうこと?想像はつくけど」

「リンクスに桂木ヤコの名前で犯人への挑戦状を書き込んでおいた。プライドの高そうなあの女のことだ、明日にでも食いついてくるだろう」



餌っていうか生贄じゃんかそれ。

ネウロがワザとやっていることは解るのでそれ以上は言わずに空いているソファに座ってお菓子をつまむ。



リンクスに『姫』というユーザーネームで登録している少女が犯人だということはすでに見当がついていた。

警察でも連続殺人の容疑者として名前は上がっている。

『姫』が主催するグループから抜けていった『姫』の元フレンド達が殺されているのだ。

ただリアルでの彼女が政治家の娘だったりするので踏み込んだ捜査ができずにいるうちに被害者が次々と出ているので始末に負えない。

それを察した依頼者は事務所に相談を持ち掛けたわけだだった。



(おとりになる分には文句無いけど、安全が保障されてないからなー)



気が乗らないなぁ、と一言つぶやいた。


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あきゅろす。
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